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2015年7月13日
カンボジア進出ガイド

【医療・医薬】

058 カンボジアの医療&医薬②(2015年4月発刊 ISSUE02より)

■ 救急への対応 Medical Evacuation

(057 カンボジアの医療&医薬①からの続き)
 国内の主な私立・公立の病院で救急治療を受けられる所もあるが、質にはばらつきがある。2、3次救急では、国外に搬送されるケースが多い。タイには数多くの国際標準の病院があり、診断機器、専門医、集中治療室での治療が可能。カンボジアからバンコク、またはシンガポールなどの医療適格地へ搬送される場合は、高額な費用がかかるため(参考:専用機での搬送費、約2~4万ドル。入院費、手術費等別途)、海外旅行保険に加入しておく必要がある。また、医療アシスタンスサービス(緊急搬送も含む)を提供している病院・企業とあらかじめ契約を結んでおくことも可能である。

■ 保険を選ぶ際のポイント What to consider when choosing health insurance

 カンボジアの医療費は先進国に比べて割安である。しかし、社会保険や国民健康保険がある日本と違い、医療費は100%本人の負担となるため、海外旅行保険の存在は大きい。インターナショナルSOSプノンペンクリニックの日本顧客サポートマネージャーの奥野留美子氏は、在住日本人の保険加入状況について、「日本の海上火災保険会社が発行する海外旅行保険の中で、一般的に大手企業様が被保険者である企業包括保険は保障内容が小額のものが多いです。現地採用の方には十分な保障内容の海外旅行保険をお持ちの方、保障内容が不十分な海外旅行保険をお持ちの方、カード付帯海外旅行保険をお持ちの方、保険は全くなく小額の現金のみ所持されている方などさまざまです」と語った。契約する保険の見直しが適宜必要である。歯科の海外旅行保険については、「普通の海外旅行保険には歯科治療が付帯されているものは少ないですが、民間の保険でアップグレードしているものにはデンタルケアは基本的にカバーされていると思います。欧米系の保険にはカバーされているものが多いです。また、日本の国民健康保険の加入者であれば、海外治療でも保険の一部金還付を申請できます」とシゲタ歯科医院の西原繁太歯科医師は述べている。なお、還付申請の際には、申請書・領収書・診断書(診療内容明細書)が必要となるので忘れずに取得しなければならない。

■ 歯科医療について About Dental Care

 プノンペンでは日系の歯科クリニック、日本人の歯科医師も増えており、日本人でも安心して治療を受けることができるクリニックの選択肢が増えてきている。その中でも予防歯科処置(プリベンティブケア)に力を入れており、一人一人の歯の特徴に合わせた治療を行っているシゲタ歯科の西原歯科医師は「日本人の患者様には、ただ治療するためだけに歯科に行くことをお考えの方が多いように思います。しかしなるべく予防歯科に関して知識のあるクリニックに通い、半年に1回はクリーニングされることをお勧めします」と語っている。欧米では主流となりつつある予防歯科を気軽に受けることができるのも、在住外国人の多いプノンペンならではだろう。
(059 カンボジアの医療&医薬③へ続く)


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