【教育・学習支援】
インターナショナルスクールは特定の国の教育システムを採用しておらず、学校ごとにカリキュラムを設定して運営している。イギリスのIGCSE(国際中等普通教育証明書)や、IB(国際バカロレア資格)、また、独自のオリジナルのカリキュラムを作成して運営している学校もある。カンボジア初のインターナショナルスクールであるISPPのバリー・サザランド氏は、「一口にインターナショナルスクールといっても、教育レベル、進学率、国籍などの生徒構成、学費など様々です。残念ながらインターナショナルスクールを名乗っていても、教育レベルはさほど高くない場合もあるので、保護者は入念に調べた方がいいでしょう」とアドバイスしている。また、インターナショナルスクールの利点として、「基本的なことですが、生徒の国際化を促進します。いろんな国の子供たちと学びを共にし、視野も広がります。文化や考え方に違いがあって当然だということも理解できるようになります。ちなみに我が校は50か国の国籍の生徒が学んでいます」と語っている。
在住日本人数はこの3年で2倍の増加を見せ、大使館発表で2,200人、それに伴い子供を持つ家庭も増加している。そのような状況の中、2015年4月、満を持してプノンペン日本人学校が開校した。場所は補習授業校と同じプノンペントゥメイという郊外の新興エリアだ。日本人学校は、日本の文部科学省が定める「学習指導要領」に準じて教育課程を編成しており、日本同様の教育を受けることができる。設立まで陣頭指揮をとっていたプノンペン日本人学校設立準備委員会の手束耕治氏は「日本の学校から即編入、即転入が可能なところがメリットのひとつです」と語った。初年度の今年は12人の教員、23人の生徒でスタートした。また、プノンペン日本人学校校長として着任した三浦信宏氏は、「とにかく楽しい学校、知的遊園地にしたい」と抱負を語った。
補習授業校、通称補習校では、普段の学校教育ではカバーしきれない内容を補習授業として行っている。インターナショナルスクールや現地スクールへ通っている生徒たちに、日本人としての基礎的な教育をし、日本人としてのアイデンティティの確立を目指している。同校では父兄が中心となって運営しており、生徒数は64名(2015年4月時点)。土曜日8時から12時の開校で、年間授業数は40日。教員免許取得者が質の高い教育を提供している。プノンペン補習授業校校長の篠原温雄氏は、「今後は、日本人学校と同じ校舎なので、うまく連携を図りながらより充実した内容にしていきたい」と語った。