1日、シアヌークビルで演説したフン・セン首相は、カンボジアの大手物流会社3社に対し国際輸送手数料の一律カットを発表した。さらに、これまで輸送関連に従事する役人が賄賂として受け取っていた輸送経費の48%に相当する額が、国際競争力の低下の原因であると非難し、事実の解明を指示した。
この発表は物流会社に手数料値下げを要請した4月25日の会合の内容を踏まえてのものであったが、物流会社からは高すぎる“非公式な経費”に対して不満が出ていたと言う。
首相は演説中で、先月実施された内閣改造により新しく公共事業運輸省の大臣となったスン・チャントール(Sun Chanthol)氏に対し、事実解明と根絶について特命したと述べた。
また、首相は3社の国有企業へも早急な値下げを指示していたことを伝え、シアヌークビル港湾公社(Sihanoukville Autonomous Port)と船積み会社のカンプチア・シッピング・エージェンシー&ブッカーズ社(Kampuchea Shipping Agency and Brokers)は10%の手数料カットを、プノンペン港湾公社(Phnom Penh Autonomous Port)が5%の手数料カットを実施する予定であると発表した。
これまでカンボジアの高い輸送コストの改善が競争力強化の主要課題だと言われてきたが、首相は「手数料の低減がコンテナ入港量の増加に繋がり、これにより輸入品は値段が下がり、輸出品は競争力を増すことができる」と演説した。
スン運輸大臣は、商業省の大臣を3年間務め、事業者登録の際の汚職防止に尽力した実績を持つ。