カンボジア商業省は、2024年1月から11月の間に新たに9530社の企業を登録した。これは前年同期の1万1506社から17%減少したことを同省の報告書が示している。
登録された企業の内訳は、資本金企業が4725社、外国貿易会社が54社、個人事業が4750社、協同組合が1社であった。同時に1284社の企業が登録抹消された。
商業省のチョム・ニモル大臣は、「公共サービスの質を向上させるため、改革をさらに深化させるとともに、オートメーションの推進、コストと時間の削減、価格安定の維持、国内貿易や市場開発、民間部門の発展を支援していく」と述べた。
また、電子ビジネスライセンスの導入を通じて、ビジネス登録オートメーションシステムを更新する改革にも取り組んでいることを明らかにした。
一方で、近隣諸国であるベトナムやタイでは新規企業登録数が増加しており、異なる経済環境が見受けられる。
ベトナムでは、2024年1月の新規企業設立数が1万3536社で前年同月比24.8%増加し、2024年上半期には8万480社が新規設立され、前年同期比6.1%の増加を記録している。特に、ベトナム政府が中小企業の資金調達を支援する政策や輸出志向型の産業基盤が、企業設立の増加を後押しした。
またタイでは、2023年に新規企業登録数が8万5300社に達し、過去10年間で最高を記録し、2024年も9万~9万5000社に達すると予測されており、前年同期比で5~10%の増加が見込まれている。特に観光業の回復やインフラ整備の進展が新規企業設立の要因として挙げられる。
カンボジアの新規企業登録数の減少と近隣諸国の増加の背景には、投資環境の違いや政策支援の充実度、経済多角化の進展度などが影響しているとみられる。