カンボジアは、今年の最初の9か月間で総額52.8億ドルに及ぶ315件の投資プロジェクトを獲得したと、カンボジア開発評議会(CDC)の報告書が示している。これらのプロジェクトにより、25万人以上の新たな雇用が創出される計画だ。
投資プロジェクトは製造業、不動産、観光、インフラ開発など多岐にわたる分野に及んでいる。特に9月には、CDCが28件の新たな投資プロジェクト(総額4億4300万ドル)を承認し、約2万5000人分の雇用が創出が予定されている。
スン・チャントール副首相は、「この急激な投資の増加を、平和、政治・経済の安定、法制度の整備、そしてカンボジア経済の成長に起因する」と述べ、「投資法の改正や新しい投資承認システムの導入により、投資プロセスが迅速かつ効率的になったことが、新規投資を引き寄せる要因となっている」と付け加えた。
カンボジア商工会議所のリム・ヘン副会頭も、カンボジアが中国、韓国、そして地域的な包括的経済連携(RCEP)との自由貿易協定(FTA)を締結していることが、外国投資家にとって魅力的な市場を提供していると強調した。2024年9月時点で、カンボジアは中国、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)との経済連携協定、およびRCEPを含む4つの自由貿易協定を活用している。
なお、カンボジアにおける投資計画の承認額と実投資額には乖離が顕著であり、投資が遅延または中止される要因として、経済的な不確実性のほか、投資計画が承認された後も税制・税務や許認可等の行政手続きが複雑であること、また法制度の未整備や不透明な運用などが挙げられる。