(c)Phnom Penh Post
中国とASEANの代表は、南シナ海の争いに対する行動規範を考え出すべく、3月30日、31日の2日間にわたりシェムリアップで会合を行った。プノンペンポスト紙が報じた。
オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、中国の南シナ海の90%に対する領有権の主張に法的根拠がないと判断を示し、中国から領土侵害を受けているベトナムやフィリピンなどのASEAN加盟国がこの判断に対し歓迎する一方、中国は公然と反発している。また、中国は南シナ海を囲む近隣諸国における行動規範の最終決定に、一貫して関心を示している。
あるアナリストによると、カンボジアはこの会合の開催国となり、ASEANにおけるカンボジアの評価を向上し得る好機と言及。
一方で非政府系シンクタンク・カンボジア平和協力研究所 (CICP) の副所長は、中国の支持国として見られているカンボジアに対しては、中国がASEAN諸国から正式な反対を受けないよう、希薄で不明瞭な規定を確定させるために動くとの見方があると発言。この会合でカンボジアは中国にとって重要な役割を担っており、南シナ海における中国の軍国主義化の強化に対してASEANの抵抗を弱めるものという指摘だ。
中国が行う南沙諸島海域における人口島建設や軍事施設のような具体的な制限から考えると、両者にとって受け入れやすい行動規範を見つけるのは難しいだろうという指摘があがっている。
CICPの副所長は、「重要なことは規約が明確且つ実施可能であることだ」と指摘。「効力のある執行機関が必要だが、ASEANには欠如している」と発言している。