(c)Phnom Penh Post
カンボジアのIT業界は高度なIT技術者の不足からビジネスコストが上昇しており、業界の発展が停滞している。プノンペンポスト紙は報じた。
カンボジア資本のオンラインコンサル会社デジタルレインによって作成された報告書によると、21のIT関連ビジネスにおいてカンボジア人63名に対し調査したところ、75%が初級レベルで、競争力のあるIT人材として雇用可能なレベルに達していなかった。
IT技術者が不足しているため、企業はハードスキルよりもソフトスキルを重視して採用を行っており、就職後の訓練でようやく業務に必要なレベルに達するという。そういった初級技術者の採用に多くの企業が膨大な資金を訓練費用に投じている。
また、ソフトスキルの中でも信頼性、責任感、問題対処、リーダシップスキルの能力が不足しており、プロジェクトマネージャーやチームリーダーになれる人材は極めて少ない。
またカンボジアの上級IT技術者は希少なため、経験豊かなインド人やフィリピン人のIT技術者よりも給与が高く(年間で1万3000ドル~1万9500ドル程度)、技術者同士の間で賃金格差が発生している。
さらに訓練で技術を身に着けても、高い給与を求めてすぐに転職してしまうため、企業にとっては財政的な損失を生んでいる。
デジタルレイン社のCEOは研究結果の発表の際、「IT業界で今必要なのは、技術者が継続的に新たな技能を身に着けていくことだ。IT業界で働くカンボジア人はより事前準備が必要だ」の話す一方、カンボジア政府の他業界に比べたIT業界への対応の遅さを指摘している。