(c)Phnom Penh Post
プノンペンポスト紙がトゥクトゥクメーカーを営むチェアン・ヴァンナ氏にインタビューをした。2006年、彼がプノンペンに小さな客車の組立ショップを開店した当時、ちょうどカンボジアの観光業が始動し、「トゥクトゥク」という名で愛される安価な客車付のバイク輸送が活況を呈していた。しかし、今年11年目に入り、チェアン氏は挑戦に直面している。より軽く、燃費の良いインド製の三輪トゥクトゥクへの変遷が著しいからだ。
彼によると、「最初10年間は毎月平均30台のトゥクトゥクを生産・販売したが、2015年には20台に減少、昨年以降は10台あれば良い状態になった。昔は、車両を間に合わせるため、顧客は少なくとも1ヶ月前に予約をしなければならなかったが、今では待つ必要はない。代わりに我々が、顧客が来るのを待たなければならなくなった」という。
別店舗のオーナーも、「2年前、三輪トゥクトゥクが市場に流入して以来、注文が大幅に減速した。昨年の売上高は半分に減少し、現在は月にわずか10台を組み立てている」と話す。
カンボジア製のトゥクトゥク台数について公式なデータはないが、この減速の理由について、プノンペンとシェムリアップ6000人のトゥクトゥク・ドライバーで構成される最大の組織、 独立・民主インフォーマル経済協会(President of the Independent and Democracy of Informal Economic Association=IDEA)は、「トゥクトゥクはドライバー数も増え、飽和状態だ。大部分は以前のような利益を得られないため、代わりの仕事をしている。木製、金属製、布製のトゥクトゥクの客車は、通常約900ドルで、これに加えてバイク2000ドル、中古バイクでも約1000ドルが必要だ。一方、インドから輸入された三輪トゥクトゥクは、新車でも2500ドルのコストしかかからず、液化石油ガス(LPG)で動き、運用面でも安価となる。現在、1000台以上の三輪トゥクトゥクがプノンペンの街を走り、定額の安い運賃で伝統的なトゥクトゥクから顧客を奪っている」と述べた。