2017年2月10日
(前回の続き)
――市場での競争やサービスの質の観点で、インターネットプロバイダサービス(ISP)の最近の状況を教えてください
イヴ・シェフェール(以下、シェフェール) イージーコムは現在国内でナンバーワンのISPですが、今後は*FTTHの拡大でより高品質なネットワークの提供を考えています。我々のパートナーである、マイクロファイナンス機関、銀行もネットワークの高品質化を喜ばしく思っており、もちろんエンドユーザーである人々も、グーグルやフェイスブックを利用する際、高い品質を求めています。我々も、ネットワーク品質は重要に思っていますね。
*Fiber To The Home(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム・FTTH/光ファイバーを伝送路として一般個人宅へ直接引き込む、アクセス系光通信の網構成方式)
――どのようにして品質改善を行っているのでしょうか?
シェフェール 様々な方法がありますが、まず1つはもちろん技術です。スピードの速さやファイバーの数、FTTHが挙げられます。
次いで、競合他社も行っていますが、カスタマーサービスの開発です。これは、お客様の注意を惹きやすいため、業界でも非常に重要視されています。お客様の知識も増え、常により良い企業を探していますね。全社員がカスタマーサービスを大切に思う必要があります。
――現在たくさんのサービスがあると思いますが、重要な点を教えて下さい
シェフェール まず法人向けには、我々はISPだけでなく、データセンターサービスも提供しており、多くの国際企業とコーポレート契約をしています。
一般個人向けでは、OTT(Over The Top)がとても重要ですね。インターネット回線を通じて、メッセージや音声、動画コンテンツなどを提供する、通信事業者以外の企業をOTTと呼びます。フェイスブックやツイッター、ラインやユーチューブなどがそうですね。OTTサービスは、インターネットに接続できれば利用できます。
例えば、日本へ連絡をするとき、電話ではなくWhatsApp(ワッツアップ)やViver(バイバー)などを利用しますよね。現在はアプリが使われることが多いですが、このような方々のサポートを考える必要があります。
――4、5年前に比べて、今はどのように変わりましたか?
シェフェール 見てわかる通り、昨年たくさんのISPがカンボジア市場に参入しました。中には大成功している企業もあり、我々はその内の1つです。それに伴いたくさんの投資家も来ましたよ。カンボジアは発展途上で、インターネット利用1つにも多くの可能性があります。投資家にとっても面白いですよね。また、技術面でも進歩しました。技術が進歩することで、お客様に最適なサービスが提供できます。
――たくさんの企業がISP市場に参入していると思いますが、良いISPを選択するのに重要な視点はなんでしょうか
シェフェール 確かにそうですが、それぞれ独自の戦略をとっていますよ。イージーコムは、企業向け、特に国際的な企業向けサービスに焦点を当てています。他の企業には、コンドミニアムに力を入れてところもあります。
ISPの選択については、法人向けと一般個人向けでまた違ってきますね。
法人向けで言うと、法人向けISPの数自体が少ないので、高品質で責任が明確、そしてカスタマーサポートが充実しているかどうかが重要になります。法人向けサービスを行っている企業は、どの企業も包括的なサービスを提供していますが、イージーコムの市場シェアは高いですね。我々は会社にあった適切なサービスを提供出来ます。
一般個人向けで話すと、まずISPを知っている人がいません。なので、目立つ広告で、かつ、とにかく安価を謳っているものが選ばれる傾向にあります。しかし、その中にはファイバーを使っていない会社もあり、インターネットの質に関わってきます。(取材日/2016年8月)
(次回へ続く)