2016年9月28日
――企業紹介をお願いします
スザンナ・コーグラン(以下、コーグラン) 私は母国でも元々トレーニング・教育業界で働いており、カンボジアに来てからも教育に携わりました。その後、人材開発の会社を立ち上げてもう9年になります。弊社のスタッフはフルタイムスタッフが4名、プロジェクトベースで動いているコンサルタントが8名。全員クメール人ですね。
お客様は、ご紹介やウェブサイトなど、ダイレクトなプロモーションからいらっしゃる方がほとんどです。現在日本のお客様については、大きなネットワークを持っていないので、イベントや紹介などを行い積極的に行動したいですね。お客様が受けるプログラムの幅も広がり、ビジネスとしては益々成長していますよ。
――日系企業が人材育成にコストをかけるようになってきました。しかし、高付加価値人材の育成というよりは基本マナーなど、初歩的なレベルに留まっています。このような日系企業の動きについてどう思われますか
コーグラン そうですね。特に工場などで働く人たちのレベルは低く、問題視している雇用主も多いです。しかし、政府や民間企業でも、効果的な職業訓練の必要性が叫ばれ、テクニカルやメカニカルなど、特別なスキルをもった人々を育てることが重要視する動きにあります。
企業としても積極的に時間とお金を投資する傾向にありますね。日本企業でもミネベアは、語学研修やスキルアップ研修などの充実度は業界内でも有名で、素晴らしいモデルだと思いますよ。
私達のサービスは、例えばお客様と相対するフロントスタッフに向けては、メールの書き方やプレゼンテーションの方法、お客様との関係構築や様々な国の人向けた応対など、コミュニケーション力などのソフト技術を教えています。期間は1~3か月が多く、お客様はオーストラリアやアメリカなど様々な国の方が多いですね。その他、マネージャー向けグループ研修も好評です。ケーススタディやグループワークを交えてリーダーシップを学びます。
――最近の人件費の高騰に、人材の能力が追いついていないと感じる日本企業もあります。人材育成という観点から、何かアドバイスがあればお願いします
コーグラン 確かに、どの業界でも給与の上昇には直面しています。しかし、給与の上昇とともに急激にスキルが上がるわけではないですよね。特に、ミドルマネージメントレベルは人材不足のため急激に給与が上がっています。ミドルマネージメントで月3000ドル、ハイクラスのマネージャーになると月6000ドルの人材もいるんですよ。工場労働者やマネージャーなど、レベルに合わせたトレーニングがスキルアップを手助けします。
しかし、労働者たち自身も進んでトレーニングを受けたがっています。スキルの有無が収入に直結するんですから。今後は、創造性や自らで考えるスキルが重要ですね。(取材日/2016年5月)
(次回へ続く)