カンボジアに進出する日系企業のための
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TOP INTERVIEW
トップが語る、カンボジアビジネス(2014/3発刊0号より)

カンボジア国外からの進出、起業が増えているが、当地でビジネスをすることのメリット、デメリットをどのように考えているのだろうか、またカンボジアの魅力とは。

カンボジアでのビジネスの魅力

 基本的にはメリットもデメリットも業界によると思います。好意的に見ればカンボジアのメリットはビジネスをする際の自由度でしょうか。もちろん、長所と短所は表裏一体です。カンボジアの市場は未だに労働や企業活動の面で多くの制度を必要としています。他国のように適切な競合がいたり、国際標準があったりするわけではありません。それが一方ではメリットにもなります。例えば、起業する時や進出する時ですね。

 政府はQIPを通して、海外からの企業や投資を広く支援しています。業界によってメリットも様々です。通信業界では免税期間はないですが、設備の輸入に関しては優遇措置があったりします。私達への投資の70~75%が輸入に使われますから、これはかなりのメリットになりますよね。とても助かっています。もちろん、大変なこともあります。諸刃の剣という感じですね。人材分野では労働人口、平均年齢が若いことが大きなメリットですよね。皆仕事を探してますし、勉強して成長して暮らしを良くしたいと考えてます。自身を成長させるために、会社に対しても貢献しようという意識が強いと思います。一方で、教育分野や資格と言った点ではまだまだ問題は多いです。もちろん、政府もそれをわかっていますし、対策をとってはいると思います。もし、企業として社員の教育やトレーニングに投資することができれば、とても良い結果が出ると思います。

関わる人々のことを考えること

 関わってきたいくつかの産業から学んだことですが、一般的に言っても、そこに関わる人々が成功の鍵となると思います。私達は、一番美しいネットワークを構築し、お客様のためになることを一番に考えてきました。どんな業種でも、それに関わる人々のことを考えることが、大きな違いを生むのだと思います。

 二つ目に言えることは、かなりしっかりとした経営システム・管理システムを構築する方が良いということです。残念ながら、カンボジアはその不透明性やコンプライアンスへの関心の低さで知られています。経営に関して、不明瞭な部分をできるかぎり減らすことが、これらの状況を変える第一歩になると思います。もちろん、業界によって違いますが。

 自分のビジネスの立ち位置をしっかりと把握して、何が重要で何が重要でないかを見極める必要があります。どんな業界にせよ、カンボジアは東南アジアの中心にあり、企業にとっては魅力的な国だと思います。

進出する日系企業へのメッセージ

 今のプノンペンと6年前のプノンペンを比べてみても、周辺国に追い付くためカンボジアが急成長しているのがよくわかります。毎年7%のGDP成長率があり、観光客の影響も大きいです。もちろん、カンボジアの市場が世界で一番なわけではありません。人口も1,500万人※です。ですが、急成長は肌で感じますし、明るい未来が待っているという確信があります。カンボジアにいらっしゃることをおすすめします。

 そして、同時にスマートをプロバイダとして利用していただくことをおすすめします(笑)。私達は、ビジネスに提供できるサービスを持っていますし、日本にも1分7セント(約7円)で電話ができます。日系企業の需要に応えられると思います。

 カンボジアに進出する日系企業に考えて欲しいのは”余裕”です。カンボジアではまだまだ予定通にいかないことが多くあります。すべてが予定通りに進むとは考えず、つねに余裕をもっていること。柔軟性と挑戦心の両方を持っていることが、企業を立ち上げる上では大切なことだと思います。

 また、長期的な視野を持って参入してもらいたいです。社員教育などの先行投資も、将来的にあなたの会社を支えるための大事な力になるでしょう。簡単な仕事は成長しません。ぜひカンボジアに来てください。

※カンボジアの人口は、計画省統計局によれば1,338万人

  • Smart Axiata Company Limited
  • 設立年: 2006年
  • 資本金: 50M USD
  • 社員数: 約800人
  • 技術展開:GSM、GPRS、EDGE、3G、4GLTE
  • http://www.smart.com.kh/


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