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業界別インタビュー

2017年2月1日

安心で安全な医療を持続的に提供する義務があると感じる[医療・医薬] 野々村 秀明

医療・医薬

サン・インターナショナルクリニック Sun International Clinic
ドクター Doctor: 野々村 秀明  Nonomura Hideaki
海外に暮らす際に気がかりな事の1つは、病気や怪我をした時の対処だ。医師とのコミュニケーションはさることながら、カンボジアの場合は医療アクセスやクオリティに不安を覚える方も多いだろう。実際は、日本人医師による質の保証されたクリニックや病院があるため、言語面でもクオリティ面でも安心して診察してもらうことができる。カンボジアではじめて、複数の日本人医師による総合診療クリニックとなったサン・インターナショナル病院の野々村秀明氏に、カンボジアの医療事情や必要とされるサービスについてお話いただいた。(取材日/2016年9月)
不安に思う邦人の助けになれる存在に

――まずは自己紹介をお願いいたします

野々村秀明(以下、野々村) 今年10月からサン・インターナショナルクリニックで常勤することになりました野々村秀明です。兵庫県で10年間、沖縄県で6年間、医師として勤務し、多岐にわたる疾患の治療を経験してきました。

 サン・インターナショナルクリニックではカンボジアの在留邦人を含め多くの患者さまに対して、内科系疾患から皮膚科・形成外科などの専門領域までカバーする医療を提供したいと思っております。早くカンボジアの生活に慣れて、皆様の健康管理のお手伝いを出来るように頑張りたいと思います。何卒よろしくお願い致します。

――なぜカンボジアでチャレンジしよう思ったのでしょうか?

野々村 もともと海外旅行が好きで、学生時代からトータル40回くらい、約30か国を旅行してきました。中でも東南アジアがお気に入りで、老後に移住するのが夢だったくらいです。海外旅行をしていて思うのが、やはり日本人による日本語でのサービスのありがたみです。自分も含め、多くの日本人は異国の地で外国語を話すのはストレスであろうと思います。私も旅行中に滞在先のホテルや飲食店で思いがけず日本人スタッフを見かけたりすると、とても嬉しくホッとした経験を思い出します。その時、いつか自分も海外で不安に思う邦人の助けになれる存在になりたいと思ったのが、海外勤務を希望した理由のひとつです。

 なかでもカンボジアのプノンペンの街は勢いと活気があり、成長のダイナミズムを感じます。私はこのような好奇心を刺激する街に住むことができて、本当に嬉しく思っています。できるだけ早く順応し、自分の専門性を活かしたいと思います。

複数の日本人専門医による診察が可能

――貴院の特長を教えてください

野々村 当院は複数の日本人専門医による診察が可能な守備範囲の広いクリニックです。一般に、発展途上国で開設されている在留邦人用のクリニックとなると、どうしても必要最低限の診察をするだけ、もしくは他の医療機関を紹介するだけになりがちです。やはり海外での病気・ケガに対しては、患者さまの不安が強いことから、できるだけ日本と同水準の医療を受けたいと思うはずです。私は内科的治療とキズの治療・皮膚トラブルなどを担当していますので、いつでも気軽にご相談していただければと思います。

 当院では日本での勤務経験が豊富な日本人医師・看護師が常駐しているため、患者さまには安全で安心できる医療サービスを提供できると思います。そして患者さまのプライバシーおよび個人情報の保護には十分に配慮し、患者さまから信頼していただける診療を努めております。また当院は現地カンボジア人の患者さまも多く、日本的なきめ細かなサービスに対して高い評価をいただいております。

交通事故で落命するリスクは日本の3.3倍

――カンボジアの医療の現状をどのようにみておりますか

野々村 近年、日系企業のカンボジア進出が増加しているようですが、日本人を現地採用する、または駐在させる場合、やはり現地の治安・衛生環境・医療水準・学校教育の充実度などが最重要ではないでしょうか。

 ご存知のように、カンボジアの医療水準は低く、疾患の重症度によっては十分な治療を期待できません。したがって、日本に住んでいる時以上に、各人が健康管理に気を配り、疾病予防に努める必要があります。ただ、カンボジアの在留邦人の年齢層は比較的若いことが想定されることから、生活習慣病といった慢性疾患の有病率は低いのかもしれません。しかしながら、発展途上国に長期滞在する日本人の受診病名を追跡した調査によると、呼吸器疾患や消化器疾患、感染症などといった急性疾患が多いことから、年齢に関わらず重症化しない内に医療機関を受診することが大切です。

 そして次に、私がカンボジアに住む上で気になることは交通事情の悪さです。信号も少なく、渋滞した道路を縫うように走り抜けるバイクの群れを見ていると恐ろしさを感じます。

 2010年に世界保健機関(WHO)が、世界181の国と地域を対象とした人口10万人あたりの交通事故死者数を報告しています。日本の人口10万人あたりの交通事故死者数は5.2人で、世界ランキングの順位は181か国中163位となっています。

 カンボジア周辺国のランキングを見ると、タイが38.1人で3位、ベトナムが24.7人で22位となっています。そしてカンボジアは17.2人で78位となっており、周辺国ほど劣悪ではないものの、日本の3.3倍も交通事故で命を落とすリスクがあることが分かります。それを考えると、軽症から重症までを含めた交通外傷は相当な患者数が推測され、カンボジア国内の医療機関や専門医の数を考えると、治療が必要な患者に医療が十分に行き渡っていない可能性があります。

 発展途上国に住んでいるからと言って、何かを妥協させるのではなく、日本と同様の医療へのアクセスが得られることが望ましいと考えます。その点で、サン・インターナショナルクリニックが現地の医療ニーズを適切に汲み取り、必要な医療を提供する使命を担っていると思います。

――カンボジアの医療は今後どのようになるとお考えですか

野々村 現在のカンボジアは、医療の需給バランスに不均衡があると思いますが、公的医療保険制度の拡充を含め、医療サービスの配分が適切に行われてくると、医療の質を重視する社会に移行していくと思われます。そして、カンボジアの社会が発展するにつれ、より高度で専門的な治療が望まれるようになるはずです。

 そのため、われわれ医療の供給サイドとしては、カンボジアにおいても、患者さまに丁寧な説明を行い、高品質で多様な医療を安全に提供する必要があります。カンボジア国内でも海外の先進国と同様の医療サービスを受けたいというニーズに対し、われわれは積極的に応えていくつもりです。

今後は医療連携を重視し、ニーズに沿った医療を提供したい

――貴院の今後の抱負をお聞かせください

野々村 われわれは日系企業のカンボジア進出の足かせにならないように、安心で安全な医療を持続的に提供する義務があると感じています。そして、長期・短期滞在者の皆さまにはカンボジアに住むことによって、何らかの不都合が生じないようにニーズに沿った多様な医療を提供したいと思っています。しかし、そのためには1つのクリニックだけでは限界があるため、他病院・クリニック間の連携を重視し、それぞれの長所短所を補完し合うネットワークを構築できればと思います。

 そして、カンボジア旅行中の患者さまには、帰国後に母国の医療機関をすぐに受診できるように、診療情報提供書を通じてシームレスな医療連携を目指したいと思います。さらに、できるだけ多くの現地カンボジア人の患者さまにも日本の優れた医療サービスを経験していただき、カンボジア社会に貢献できれば嬉しく思います。

 これからもサン・インターナショナルクリニックは多くの患者さまから支持されるクリニックを運営するべく努力しますので、宜しくお願い致します。(取材日/2016年9月)


サン・インターナショナルクリニック Sun International Clinic
事業内容:総合クリニック
URL: http://www.siclinic.com/
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