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2017年1月4日
カンボジア進出ガイド

【教育・学習支援】

159 カンボジアの教育・学習支援(2016年11月発刊 ISSUE05より)

カンボジアの教育制度 Education system in Cambodia

 カンボジアの教育制度は日本と同じ6・3・3・4制で,最初の9年は義務教育として無料で受けられる。ただし、家庭の事情などで通学が難しく、退学や留年の問題もいまだ残っている。また、多くの学校は午前と午後の2部交代制で、午前は7時から11時まで、午後は1時から5時までのそれぞれ4時間。これは内戦後の教室や教師不足が主な原因であり、特に教員の地位や給料水準が低く、課題となっている。

 不足する授業を補うために塾に通う中学生も多く(中学校から卒業試験がある為)、教師が空いた時間にアルバイトで補講をすることもある。体育や芸術系の科目は設備や教員不足でほとんど行われていない。一方で、富裕層や外国人の子女はインターナショナルスクールか、日本人であれば日本人学校に通うのが一般的だ。

インターナショナルスクール International Schools

 「一口にインターナショナルスクールといっても基準がないので、あちらの学校とこちらの学校で同じことを学べないのです」と、日本を含む世界11か国で展開するシンガポール系列のインターナショナルスクール、イートンハウスのダニエル・リー氏が指摘するように、学校選びはしっかりとした情報を元に慎重に判断したい。



 日本人が通うインターナショナルスクールとしては、ノースブリッジ、インターナショナルスクールオブプノンペン(ISPP)、アイキャンブリティシュなどが挙げられ、カンボジア人と外国人が同じクラスで学ぶ。これらの学校はイギリスのIGCSE(国際中等普通教育証明書)や、IB(国際バカロレア資格)、IPC(国際小学生カリキュラム)などに準拠するか、または独自のカリキュラムを作成して、欧米など先進諸国の学校への進学に必要な授業が受けられる。上記3校の年間授業料は1万ドルを超える。

日本人学校と補習授業校 Japanese School of Phnom Penh and Supplementary Classes

 日本人学校は、日本の文部科学省が定める「学習指導要領」に準じて教育課程を編成しており、日本同様の教育を受けることができ、日本の学校への転校もスムーズだ。2015年4月にカンボジアで初めて開校したプノンペン日本人学校では、2016年10月現在、小学部と中学部併せて42名の児童生徒が学ぶ。

 学校を「知的遊園地」と定義し、先生も生徒もわくわくする内容で楽しく学べる環境に拘っている。保護者や在住者にもどんどん足を運んでいただきたいと語るプノンペン日本人学校の三浦信宏氏は学校選びについて、「日本に帰国して日本の学校へ進学させたい場合は日本人学校がベストだと思います。インターか現地校か日本人学校かなどお悩みの場合は、教育相談、進路相談もお受けしますので、お気軽にお越しいただけたらと思います」と語る。

 補習授業校は、普段の学校教育でカバーしきれない内容を補習授業として行っている。インターナショナルスクールや現地校に通う生徒たちに日本人としての基礎的な教育をし、アイデンティティの確立を目指す。プノンペン補習授業校は父兄が中心となって運営しており、生徒数は63名(2016年10月時点)。土曜日8時から12時の開校で、年間授業数は40日。教員免許取得者が質の高い教育を提供している。


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