2015年6月23日
(前編からの続き)
――メディアについての法規制について教えてください。
ソイ・ソピーア(以下、ソイ) 1995年から、メディア関係の規則が2つあります。社会に良くならないことは伝えてはならない。現場から、それを伝えることで社会の混乱を招くようなことは伝えられません。首相がダメだと言えば配信ができません。また、事件があった場合、本人の承諾なしに放送してはいけないという権利もありますが、最終的には報道範囲をどこまでにするかは、そのメディアのダイレクターが判断します。
――例えば、どういうことでしょうか。
ソイ そうですね。例えば、HIVの大量感染のニュースなどは、事件の事実は報道しますが、感染者の個人情報は放送しないなどですね。最終判断はダイレクターがすることになりますが、いずれにしても、メディアが放送したいと思ったニュースなどでも、こういった規則がありますので、報道の判断には常にリスクと隣り合わせと言えます。
――カンボジアでのメディアの将来について、ご見解をお願いします。
ソイ 2025年までには、80%ほどのメディアがオンラインになると予想しています。なぜなら、2018年から2020年にかけて、カンボジアの最大手通信会社イージーコムが通信インフラに対し巨額の投資を行うことで、ネット環境の価格が安くなる可能性があるからです。
すでに今のカンボジアの子供たちの多くがインターネットを利用しており、10年後はさらにITが身近になっていることでしょう。
――カンボジアに進出を検討している日系企業にメッセージを。
ソイ これまで、日本政府や多くの日系企業からカンボジアに投資してもらってことにとても感謝しています。私たちは日本からたくさんの支援を受けながら、同時に日本の良いところ、強いところを学んでいます。そして、私たちは日本のことが好きですし、日系企業を応援したいと思っています。これからカンボジアでビジネスを始める日系企業には、ぜひとも成功するよう心から祈っています。(取材日/2015年3月)