2016/08/01
―――企業紹介をお願いします
クルーチ・ソピアックトラ(以下、クルーチ) ダムコは、オランダ本社で世界各国に300支店11000人以上が働く、100年の社歴を持つ一大グループです。カンボジアでも設立が1998年とこちらでは長い会社で、私自身も入社し8年になります。今でこそ多数の物流会社がありますが、ダムコは大きな会社の1つで、かなり成功していると言えるでしょう。設立当初は30人だったのが、今ではアウトソーシングも含めて100人近くになりました。
倉庫はここから1時間離れたところに2つあります。1つは1000㎡、もう1つは6000㎡とかなり大きく、例えばカンボジアでは縫製業が盛んなため、それに関連したコンテナ等、海、空、陸を渡る多くの製品が収納出来ます。
特に弊社は、物流でも国外との輸出入が多いため、自社のネットワークを駆使して最適な方法を提案しています。ご存知の通り、カンボジアは近隣諸国との物流はかなり盛んで、タイ、ベトナム、シンガポールなどお客様の必要に応じて、いろんな経路選択があります。日本企業とのビジネスも日本オフィスと連携し、今はベトナムやタイ経由が多いですね。
国内の物流会社と比べると我々はトップ企業です。巨大倉庫や世界中のネットワークも持っており、物を運びたいときに欧米諸国やTPPを締結している国を含め様々な方法からベストな選択をし、ソリューションを提供するという方法でお客様をサポートしています。
―――税関での汚職について教えて下さい
クルーチ 我々は、Anti-Corruption Unit(ACU)に署名しており不正なお金を払いません。どうやって不正を無くすかは、不正に応じないことが一番ですから。
しかし、途上国では汚職はまだ行われていますし、彼ら無しでは物流が進まないのも事実です。カンボジアではAnti-Corruption Unit(ACU)も出来、政府が不正に対し努力しています。今後も政府の強力なサポートが必要ですね。
また数に関して言えば、我々は、不正に直面しないので増えているとも減っているとも一概には言えないです。ただ彼らにとって賄賂はノーマルなことです。今後は分かりませんが、我々が出来るのは安全にお客様の荷物を運ぶだけですね。
―――会社としての強みを教えて下さい
クルーチ 荷物を安全、確実に届けることですね。我々は世界中にオフィスがあるため、スタッフ数や投資額も多く、ネットワークを利用して見積もりやルートなどお客様にあった最適なものが提供出来ます。有り難いことにお客様からの評価も高く、これが人も増え事業も拡大している一因ですね。また、お客様に対する補償としては、GPSも利用し追跡サービスを行っています。
―――将来の展望を教えて下さい
クルーチ 物流業界は益々良くなると思いますよ。以前は情勢の不安定や警察の不正で、物が国境を超えるのも難しかった時代がありました。しかし今はGPS等で荷物の安全も高まり、人々も成熟しています。物流を取り巻く環境は前よりずっと良くなった。今後はインフラや税関の不正等の改善ですね。政府にも意見書を提出しています。
人について言うと、カンボジア人の大多数は1つの会社で長く働かないと言われています。また海外での就労が容易になり、単純労働者の30%以上はタイやベトナムの工場へ流出しているんですよ。今後は人材確保のため、最低賃金を上げ1つの会社で長く働きやすくすることが大事ですね。そうすることで会社自体の成長にも繋がります。
ただ長く滞在し、仕事をするとカンボジア人の働き方に頭を悩ませたりすることも多いですよね(笑)。日本人は成熟しており、1人1人が安定し責任感があります。カンボジアはまだ始まったばかりの国ですね。
―――最後にメッセージをお願いします
クルーチ 最近は日本企業からの問い合わせも多く、日本人がかなり増えているのを肌で感じます。これまでカンボジアは日本人や日本企業からたくさんのサポートを受けてきました。私自身ホンダで長く働いており、経営や製品管理、従業員のマネジメント等、ビジネスや工場を始める知識もその時に学んだんですよ。
なので、私もカンボジアにたくさんの日本人が訪れビジネスを始めることを楽しみにしています。その時は、物流はもちろんマーケティングなどあらゆる面でサポート出来るのでぜひお声がけ下さい。
また我々の企業はCSRにも力を入れており、地方の学校支援や森林保護も行っています。そこでは、昔ながらのカンボジアの生活も体験出来るんですよ。ぜひそこにも一度お連れしたいですね。