2016年1月5日
――ナオ・ソポーさん、よろしくお願い致します。ナオさんはCTNでニュースダイレクターをされておられますが、CTNはどのようなテレビ局でしょうか
ナオ・ソポー(以下、ナオ) CTNは、カンボディアン・ブロードキャスティング・サービスの子会社として2003年3月からスタートしたテレビ局です。カンボジアのテレビ局の中でも最も有名なテレビ局であり、スタンダードでプロフェッショナルなテレビ局です。また、CTNで放送されているエンターテイメント、教育、国内外のドラマ、スポーツ、ニュースなど様々な番組の担当者は、外国に留学した経験を持っていたり、国内でも高い教育を受けた優秀な人材です。
――カンボジアでも大変人気のあるテレビ局だと伺っています。ほかにはどのような特長がありますか
ナオ そうですね、このような番組のほかに、社会貢献としてチャリティ活動も行ってきました。特に貧しい学生たちに寄付したり、子供の病気を無償で治療することで有名な病院に資金的なサポート等をしています。また、テレビ局としては一般的に活用されている撮影技術や放送技術をカンボジアでも使用し始めたのもCTNが最初です。諸外国のテレビ関係者が私たちの技術レベルを知って、想像していたよりも進んでいることに驚かれることが多いですね。
――カンボジアには沢山のテレビ局がありますが、局によって特長が違いますよね。CTNは報道とエンターテイメントのバランスが良いように個人的に感じています。
ナオ ありがとうございます。CTNは子供から年配まで、あらゆる年齢層を広くターゲットしているので、多くに方々に見てもらっています。一般的にテレビで人気のある番組はニュースとエンターテイメント、例えばタイのドラマや週末のコンサート、ボクシングなどです。特にCTNの場合は週末のコンサートやドラマ、ニュース、スポーツが人気ですね。
――なるほどですね。そんなCTN局はどのような視聴者に一番受け入れられているとお考えでしょうか
ナオ テレビを見ている人たちは35歳前後の層で、多くは地方在住者です。しかし、最近はスマートフォンの普及によって、以前と比較すると視聴者は2,3割は減少しているように感じます。しかし、テレビ番組をテレビで見る機会が減っているだけで、コンテンツに対して関心が下がっているわけではありません。ユーチューブなどのサイトに公開されたテレビ番組の動画を、スマートフォンを使って見ているのです。
――本誌でも、テレビに費やす時間とインターネットの利用率を可視化した図を掲載しましが、相関関係について現場の方も直に感じられていらっしゃるのですね。ちなみに、どんな広告主が多いでしょうか
ナオ CTNをはじめとしたテレビ業界の主な広告主は、サムスンなどのスマートフォンの会社、スマートやモビテルなどの通信会社、飲料メーカー、化粧品、自動車ディーラーなどですね。
――カンボジアのテレビ視聴者は減少しているとのお話でしたが、業界全体の動向はいかがでしょうか
ナオ 最近の3年間は特に成長が顕著です。新しいテレビ局の開局もありました。大きな資金と技術を人材が投入されていますね。カンボジアは小国であるにもかかわらず、18チャンネルもありますから、競争が激しいため資金力のないテレビ局は倒産してしまうのではないでしょうか。それからテレビ業界の課題ですが、何と言っても人材のレベルがまだまだ低いです。競争が激しいので、放送技術や番組の品質などは今後も向上していくと思いますが、ただし、人材が不足しているので、そこが一番大きな課題です。