2017年2月20日
――ご自身のキャリアを教えてください
フイ・ワナック(以下、フイ) CBSのアドバイザーは、私の仕事の一部です。私はカンボジアの情報省(Ministry of Information)の代表を務めています。国際的なメディアコミュニティを形成し、世界中のメディアとの協力を推進しています。内務省(Ministry of Interior)で、自分自身も含めた公務員の効率性の検証をする監査役も務めています。
――CBSについて教えてください
フイ CBS(Cambodian Broadcasting Service)は、カンボジア国内で5つのテレビ局を運営しています。
CNCはニュースを中心に、他には娯楽、ドラマやスポーツ、コンサートも楽しめ、教育水準の高い人々をターゲットとしています。CTNは娯楽を中心にしており、18歳以上を狙いとしています。
MYTVはニュース志向の娯楽を中心としています。カンボジア人は他国のことを知る機会が少ないので、CTC Internationalではアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど他国の情報やニュースなどを配信しています。
OneTVは、よりテレビを視聴したい人のための68チャンネルの有料パッケージです。CNN、NHK、News Asiaなども見ることができます。こちらはRussian Business Groupとして始まったテレビ局ですが、現在は100%CBS資本となっています。
特にCTNは10年以上の歴史があり、質の高さが特徴の、カンボジアで1番人気のテレビ局です。優れたドラマやコメディアングループがCTNの人気の要因でもあります。コンサート・ボクシング・コメディなどは自身のチームで、ゲームショーは外部からフォーマットを購入して番組を制作します。ドラマは現地の制作会社と作成するか、フィリピン、韓国、インドなどから輸入します。
またCTNはイベント運営も得意としています。イベントの企画・運営からチケット販売、アメリカ・イギリス・韓国などからのポップアーティストの招致、それをテレビで生放送するまでを全て行います。
従来のカンボジアのテレビ番組、ニュースや番組の作り方はとても古いやり方に感じられます。CTNは過去と現在を繋げるような番組作りを心がけています。例えば、OBバン(Outside Broadcasting Van)のような設備に積極的に投資しています。撮影したい場所にOBバンで行き、そこから遠隔で放映することが出来ます。
さらにVOA(Voice of America)、ABU(Asia-Pacific Broadcasting Union)、EBU(European Broadcasting Union)などと連携することで情報を共有し、質の向上に繋げています。
――他メディアと比べてのテレビの強みはどうでしょうか
フイ テレビの強みは、綺麗な映像が、音楽、キャラクター、ハンサムな男性や綺麗な女性が、すぐそこに存在することです。今では携帯電話でも見られるものもあるため、テレビの利用者は毎日多い時で500万人と、他のメディアと比べても1番多いのです。
田舎も含めて、ほぼ全ての家庭がテレビを持っています。今ではケーブルテレビもあるため、視聴できるテレビ番組は都市部と地方でそれほど変わりません。テレビの視聴率が高い時間は主に午前6時~9時、11時~午後2時、午後6時~9時です。土曜日と日曜日はほぼ全ての時間と言えます。
――広告主にとってはどうでしょうか
フイ 利用者が多いゆえに、広告を載せるならテレビが1番の方法です。新聞など他のメディアで商品を見た場合の視聴者の理解度は40%程度ですが、テレビで見た場合は90%にもなります。カンボジアには視聴率の調査会社が2社あり、広告主はそこの情報を参考に、視聴率の高さからテレビ局を選択し、広告を載せることができます。もちろん視聴率が高いほうが、広告主が多く広告料金も高くなります。(取材日/2016年8月)
(次回へ続く)