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  • 2025年5月20日
  • カンボジアニュース

カンボジア農業、他産業へシフト加速し農業世帯28万戸減 2023年センサスで判明[統計]

2023年農業センサス(CAC 2023)の結果が発表され、カンボジアの農業世帯の構造に大きな変化が生じていることが明らかになった。とりわけ、従来の自給的農業から他産業への転換が進んでいる点が注目される。

同センサスは、過去10年以上で初の全国規模の農業調査であり、農業関連世帯は185万戸と報告され、2013年と比較して28万戸減少した。全世帯の54.2%が農業に従事しており、平均耕作地面積は1.7ヘクタールだが、そのうち44%は1ヘクタール未満の小規模経営であった。

作物栽培が93.9%、家畜・家禽の飼育が58.6%に上り、主食である米の作付面積は全体の66.6%を占める。キャッサバは13.2%と第2位となっており、農業の多様化が進んでいることがうかがえる。鶏やアヒルを飼育する世帯は39.3%、森林関連活動から収入を得る世帯は19.5%とされた。

また、無機肥料の使用率は77.9%、有機肥料は37.6%、灌漑を行っている農地は20.6%にとどまり、気候変動への対応力に課題が残るとされた。

平均年齢は31.8歳で、15歳未満および60歳以上の扶養人口が49%に達している。

ソク・チェンダソピア副主将は、同センサスが農業政策立案の基盤となる重要な統計情報であると述べ、「本調査により、政府はより的確な施策の設計と資源配分が可能となり、農村の生活向上と農業分野の強靭化に直結する」と強調した。

計画省ビン・タラチェイ大臣は、今回のデータが2023〜2028年の農業開発計画や、貧困削減・経済成長・気候変動への対応といった国家戦略に活用されると述べた。

カンボジア統計局(NIS)のリン・ヴィラク局長は、「農業世帯が減少しているのは他産業への移行が進んでいるためであり、これはカンボジアがより繁栄していることの表れである」と語った。

国際連合食糧農業機関(FAO)カンボジア代表のレベッカ・ベル氏は、同センサスを「証拠に基づいた政策立案の土台であり、農業改革を促進する鍵である」と評価した

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