カンボジアのバンテイメンチェイ州ポイペトで、67人のインド人が偽の求人詐欺により違法なサイバー犯罪活動に関与させられていたところ、カンボジア国家警察によって救出された。この救出作戦は、在カンボジア・インド大使館からの情報提供に基づき、9月22日に実施された。偽のエージェントに騙され、合法的な職業だと信じてカンボジアに渡った彼らは、到着後に違法なサイバー犯罪活動に強制的に従事させられていた。
この詐欺の手口は、インド人を含む多くの人々をデータ入力や法執行機関の職員を装うなどの役割に偽装させて、オンライン詐欺やマネーロンダリングに従事させるというもの。これらの詐欺活動は、カンボジアのみならず、ミャンマーなど東南アジア全域に広がっている。国連の報告によれば、2023年8月時点でミャンマーで12万人、カンボジアで10万人がこのようなサイバー詐欺に強制的に従事させられているという。
インド大使館はカンボジア当局と緊密に連携し、救出されたインド人の帰国支援を進めており、10月1日までに39人がインドに帰国している。残りの28人も数日以内に帰国予定である。2022年1月以降、在カンボジア・インド大使館はカンボジアでの詐欺被害に遭った1000人以上のインド人の帰国を支援しており、そのうち約770人が2024年の最初の9か月間で帰国している。
インド国内でも、詐欺ネットワークの取り締まりが進められており、オディシャ州のルールケラ警察がサイバー犯罪組織を摘発し、カンボジアへの渡航を手配していた8人を逮捕した。また、2024年3月には、インド内務省が外務省、電子情報技術省、インドサイバー犯罪調整センター(I4C)などと協力し、救出作戦の計画を立てている。
カンボジアでの救出作戦は一部成功しているが、現在も5000人以上のインド人がこのような詐欺に巻き込まれていると報告されている。被害総額は約500クローレ(約70億円)にも上るとされ、若者やITスキルを持つ人々が特にターゲットにされている。このような詐欺は、サイバー犯罪やラブスキャムなど、多様な手法で人々を巻き込んでいる。
インド大使館はインド人に対し、カンボジアや他の東南アジア諸国での未確認のエージェントやソーシャルメディアを通じた求人に対して警戒するよう強く呼びかけている。