映画では特定の国名が登場しないが、予告シーンでクメール文字が描かれたTシャツを着た登場人物が映っている (c)
No More Bets
カンボジアの増加しているサイバースキャムギャングや人身売買の問題について、特に中国でのカンボジアの評判を大きく損なっていると日経アジアが報じた。
カンボジアの詐欺シンジケートとの関連や、中国の大ヒット映画「No More Bets」により、中国の観光客がカンボジアを訪れることを避けるようになり、パンデミック前に中国からの観光客に大きく依存していたカンボジアにとって大きな打撃となっている。
カンボジアでは広範囲にわたる腐敗した状態のために、サイバースキャムギャングが繁栄しており、彼らは偽の求人情報で個人を誘い込み、暴力の脅威の下、オンラインでの詐欺行為に従事させている。
台湾出身の被害者の証言によれば、被害者は身体的暴力を受け、さらなる暴力の脅威の下で詐欺行為に参加するよう強制されたという。
中国はこれらの詐欺についての認識を高めるためのキャンペーンや広告板を通じて措置を講じているものの、「No More Bets」という映画が東南アジアのカンボジアの危険についての一般の人々の意識や印象に大きく影響を与えている。
この映画は、プログラマーとモデルが高収入の仕事の約束に誘惑され、殺人ギャングが運営する詐欺施設に足を踏み入れたという架空の物語を描いており、今年8月に中国の興行収入トップに上り詰め、初月で5億ドル以上の売り上げを記録した大ヒット作となった。
中国人にとって関心の高いトピックであったことがうかがい知れ、結果として、カンボジアの経済、特に観光業界は、これらの詐欺の影響を大きく受けているといえる。
今後はこの映画の影響もあり、一般の中国人観光客の回復がさらに遅れる可能性がある。
国際的な対応として、インターポールなどの国際機関は、これらの詐欺センターの拡散について警告しており、サイバースキャムの問題は、国家間の高レベル会議でも議論されているが、カンボジア当局の一部の取り締まりにも拘わらず、多くのサイバースキャムの運営は引き続き機能している。
1年以上監禁されていた被害者を含む情報筋によると、多くのサイバースキャムグループは依然として活動を続けているという。
これらのサイバースキャム運営の継続と拡大は、カンボジアの経済や人々だけでなく、他国の市民をターゲットにする詐欺操作のため、国際関係にも重大な脅威をもたらしている。