17日、農林水産省のヴェン・サクホン大臣が国民集会でカンボジアが50年で最悪の干ばつ被害を受けていることに言及し、農業用の灌漑設備計画の修正を発表した。
大臣は、「この非常事態を打開するために灌漑計画を拡張し、関係省庁と連携していく。そして、農業従事者を守っていくために農林水産省は水資源気象省と協力し、灌漑設備や用水路を構築に全力を注ぐ」と語ったとカンボジアデイリー紙が報じている。
カンボジアは現在、深刻な干ばつ被害に襲われており、先月、ストゥントレン州で水牛236頭と牛65頭が水不足により死んでおり、コンポントム州では水温の上昇により65トンの魚が干上がった。
この事態を受け、フン・セン首相は深刻な干ばつ被害を受ける地域に対して、100台の軍用トラックに水を運ばせるなど、支援を進めている。
しかし、水資源気象省は今年度予算に余剰がないため、農業分野の惨状に理解しつつもプロジェクトは来年までは開始できないと発表している。
これを受け、救国党のポル・ハム委員長は不快感を表明し、「政府は農家を守るためにも支援を続ける必要がある。カンボジアは農業国であり、農家は水を必要としている」と語った。
世界銀行のデータではカンボジアの全人口の半数が農業に従事している。50年に一度の干ばつにより、カンボジアは水資源を確保する必要性に迫られている。