カンボジアで苦戦する日本企業に共通した特徴がある。その一つとして良い現地パートナーに恵まれてない、または現地パートナーがいないことが挙げられる。日本には日本のやり方があるように、カンボジアにはカンボジアの流儀がある。現地パートナー不在のままで、カンボジアの流儀に沿ったビジネス戦略を局面ごとに思案し実行することは難しいといえるだろう。日本とカンボジアのビジネス機会を創出するため設立された、「カンボジア日本経営者同友会(CJBI)」という団体の篠原勝弘会長とイエン・ソティアラ代表に話を聞いた。
――CJBIの目的などをお聞かせください
篠原 CJBIは2016年3月に正式発足しました。元々JICAがカンボジアの産業の幅広い発展と、それに伴う産業人材の育成に力を入れてきました。そこでカンボジア人の起業家を育てるためのプログラムをやっていますけど、それだけではなくて、実際にカンボジアのビジネスマンも一緒に入ってやることが大事だと思いました。
例えば、カンボジアはどんな投資環境なのか、伝統とかも、カンボジアのビジネスマンから説明を受ける。逆に、カンボジアのビジネスマンは日本のビジネスマンから説明を受ける。日本人から日本でどのように成功したかノウハウを学ぶ。
CJBIは(カンボジアと日本)お互いに企業の色々な発展に貢献できるようにしようという目的があります。発足当時から単なる友好協会だけではなく、日本人投資家が来た時にはパートナーとしてどんな人が良いか、最適な人を選ぶこと、つまりビジネスマッチングのチャンスを作ることをやってきました。
――団体の活動と実績についてお聞かせください
ソティアラ 2016年から、CJBIでは主に3つの活動があります。第1の活動は、カンボジアと日本のビジネスオーナーや投資家のためのビジネスネットワーキング・プラットフォームです。私は、JICA、CJCC、日本大使館のサポートやプロジェクトを通じ、多くのカンボジア人がコミュニケーション向上のため日本で学び、共に働いているところを見てきました。CJBIはカンボジア人の投資家と大手家電メーカーや農業メーカー、中古機械を扱う会社などの日本企業に対して、定期的な会合をセッティングし、ビジネスディスカッションをしています。
第2の活動は、CJBIのカンボジア人メンバーが、研修やセミナー、コンサルティングを受けることを支援すること(会員の能力強化)です。我が国は、成長産業があります。現在、日本から専門家を向え、長期的なビジネスをどのようにして持続させるかについて、カンボジア人投資家に対し、講義しています。日本企業のビジネスの持続戦略を伝えてもらえるのは大きな機会です。カンボジアは過去に内戦がありましたが、その影響で多くのカンボジアの企業が長期的に事業を維持できるノウハウが不足しているのかもしれません。
第3の活動は社会貢献活動ですが、例えば11月18日のプノンペンクリーンシティチャレンジにCJBIとして共催・参加したりしています。
CJBIは、カンボジア企業24社と日本企業4社で構成され、現在は合計で28社ですが、可能性の溢れた投資家との出会い、自己啓発や企業の発展のために学ぶことができる場所であると思います。