タイ政府は、2024年2月13日までに労働および居住許可が期限切れとなるカンボジア人労働者について、退去することなく2年間の就労を許可する決定を下したと、カンボジア労働職業訓練省(MLVT)が発表した。これは、シンガポールで開催された第28回ASEAN労働大臣会合で、MLVTのヘン・スアー大臣とタイの労働大臣が会談中に発表された。
さらに、タイ労働省は、来年のクメール正月に合わせてカンボジア人労働者の再入国手数料を免除する可能性について、タイ閣議に提案する予定。この免除措置はカンボジアのフン・マネット首相からの要請によるもので、昨年も同様の措置が取られた。
また、タイ側はカンボジア人労働者に対して技能訓練と修了認定を行う可能性についても検討すると述べ、カンボジア帰国後もMLVTがその資格を認めることを確認した。さらに、カンボジア人労働者はタイ人労働者と同様の社会保障を受けており、カンボジアの国家社会保障基金(NSSF:National Social Security Fund)とも協力し、国外にいる間も社会保障の受給が可能になるよう、ASEANのガイドラインに基づく協力が進められている。
今回の会議では、カンボジアとタイが情報技術の活用を進め、労働者の移住手続きの迅速化と不法移民の流入抑制に協力することも合意された。
第28回ASEAN労働大臣会合は「レジリエンス強化とイノベーション促進」をテーマに開催され、各国の代表や東ティモールのオブザーバーも参加。会合では、地域の労働力が変化する国際情勢に対応できるようスキル強化や社会保障拡充が議論され、ASEAN事務総長は、カンボジアが主導する取り組みを含む全労働者への社会的保護の推進を支援することを表明した。