カンボジア王国政府は、米国トランプ政権がカンボジア製品に対する関税を36%から19%に引き下げた決定を「画期的な進展」と評価し、対米経済外交の成果として歓迎した。
8月1日に開催された記者会見において、スン・チャントール副首相兼カンボジア開発評議会(CDC)第一副議長は、今回の関税改定について「カンボジア製品が地域諸国と対等に競争できる機会であり、外国直接投資(FDI)の誘致にも寄与する」と述べた。また、「この関税率により、年間最大3万人の新規雇用創出が期待され、地域社会への恩恵も大きい」と強調した。
同副首相は、米トランプ大統領に対し感謝の意を表すとともに、フン・マネット首相が関税交渉で果たした役割を高く評価した。首相は、米国側に対し過去500年にわたるカンボジアとタイとの歴史的な困難を丁寧に説明し、誠実な外交姿勢を示したという。
スン副首相はさらに、「今回の関税引き下げは実質的に61.2%の削減率であり、世界的にも最大規模の減税措置である」と述べ、カンボジアが今後500件から600件の投資プロジェクトを登録する見込みであると自信を示した。
加えて、国外で働くカンボジア人労働者に帰国を呼びかけ、「国内では多数の雇用機会が創出されており、経済の活性化と国家発展に貢献できる」と訴えた。
政府は現在、さらなる交渉を通じて、衣料品、履物、旅行バッグなどの一部優先品目について19%以下への関税引き下げを目指している。これらは米国国内で生産されていない製品であるため、アメリカ企業との競合が生じないことを理由に、さらなる減税の可能性があると分析されている。
スン副首相は、「女性を中心とした労働者に最大100万人の雇用を生み出すためにも、関税だけでなく輸送費や文書手続き費用などの生産コストの削減にも取り組む」と述べた。