カンボジア政府と世界銀行は6月24日、プノンペンで「カンボジア・ビジョン2050」に向けた戦略的方針を探るワークショップを共同開催した。テーマは「グローバルな知見を活用し、カンボジアの未来を描く旅を支援する」であり、複雑化する国際環境に対応するために、競争力・包摂性・回復力の強化を目指すものである。
このワークショップでは、ボンセイ・ビソット常任副首相兼閣僚評議会担当大臣と、世界銀行カンボジア事務所のタニア・メイヤー代表が共同議長を務めた。世界銀行の東アジア・太平洋地域チーフエコノミストであるアディティア・マトゥ氏のほか、各省庁、専門機関、民間企業、研究者、開発パートナーなどが参加した。
ヴィソット氏は冒頭で、「第1段階のペンタゴナル戦略で示された政策優先事項の分析と、実行計画・制度・成果の明確化が重要である」と述べ、本報告書が果たすべき役割を強調した。
さらに、「ビジョン2050は、今後25年の国の進むべき方向を定める、大胆で戦略的な構想である」と語り、国家の発展、国益の確保、国民の安全、領土保全といった長期的課題に対応するためには、回復力と持続可能な成長を見据えた戦略が不可欠だと述べた。またこの構想は、フン・マネット首相が掲げるペンタゴナル戦略を基盤としており、前首相フン・セン氏の「ウィン・ウィン政策」によって築かれた平和と発展の成果を継承するものであると位置づけた。
同氏はさらに、現在のカンボジア経済が外的要因に強く依存していると指摘し、今後はイノベーションと世界的な知見を活用した、より自立的で柔軟な経済モデルへの転換が求められると述べた。
これに対してメイヤー氏は、「カンボジアは将来的に高所得国を目指すべきであり、そのためには生産性の向上を中心に据えた経済モデルが必要である」と語り、グローバルな知見の活用を通じて経済の強靭性を高める重要性を訴えた。
また記事では、フン・マネット首相が先月末にマリアム・シャーマン世界銀行カントリーディレクター(カンボジア・ベトナム・ラオス担当)と会談したことにも言及している。この際、2025~2029年の新たなパートナーシップ枠組みが確認され、世界銀行が引き続き同国の長期的発展を支援する方針が再確認された。シャーマン氏は「カンボジアの目覚ましい進展と、世界銀行との強固な協力関係が、社会経済開発を後押ししている」と評価した。