カンボジア政府は、米国による報復関税や世界的な経済不安に直面する中、農業や縫製業などの主要セクターを保護するための経済対策の検討を進めている。フン・マネット首相は「国内経済の回復と成長の加速を最優先課題とし、官民連携での包括的対策を講じる必要がある」と強調した。
現時点で具体的な政策は示されていないものの、国家経済会議(Supreme National Economic Council)を中心に、投資促進、雇用維持、インフレ対応などを念頭に置いた財政措置が議論されている。縫製業は輸出依存度が高く、政策の優先対象として言及された。
政府はまた、農業支援やインフラ整備の加速、官僚主導の制度改革を視野に入れており、広範な政策対応を模索している。
過去の報道では、農業分野における補助金制度の拡充や、日中韓・EUなどとの自由貿易協定(FTA)を活用した輸出先の多角化も検討対象として挙がっている。これにより、米国市場への依存度の軽減が期待される。
地域比較では、ベトナムが税制・物流支援策を発表済みであり、インドネシアも補助金拡充を通じた内需対策を打ち出している。各国の動きが加速する中、カンボジアにおいても具体的な政策実行の動向が注目される。