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  • 経済
  • 2025年1月23日
  • カンボジアニュース

カンボジア米輸出に危機、EU基準超えの農薬残留が問題に[経済]

カンボジア農林水産省(MAFF)は、欧州連合(EU)市場への持続可能なカンボジア産米の輸出を確保するため、責任ある農薬使用を呼びかけている。特に、農薬を使用する際には代替策を優先し、残留基準をクリアする低農薬への置き換えを推奨している。

EUの食品・飼料迅速警報システムによる最近の報告では、カンボジア産米からアセタミプリド(Acetamiprid)、トリシクラゾール(Tricyclazole)、チアメトキサム(Thiamethoxam)といった農薬の残留が検出され、EU規定の0.01 mg/kgを超えていたことが明らかになった。この新たな基準は、米作で使用される517種類の農薬有効成分のうち313種類に適用され、従来の1 mg/kgから大幅に引き下げられたものである。

農薬残留問題は、EU向けカンボジア産米の輸出に影響を及ぼしており、最近では基準を超える残留農薬を含む米が返品された事例もあった。農業総局(GDA)は20日に通知を発表し、農業・林業・水産部門、米生産コミュニティ、農民、関連関係者に対し、農薬の包装に記載された技術指針に従い責任を持って農薬を使用するよう求めた。

GDAは、この問題への対応として、農業技術の近代化や米品種の改善、安全な輸出慣行の促進を進めている。また、特に残留基準をクリアする低農薬への置き換えを通じて、EU市場向けカンボジア産米の持続可能性を確保する方針を示した。

2024年、カンボジアは65万1000トン以上の精米を輸出し、総収益は約4億9100万ドルに達した。主要な輸出先はEUで、32万7156トン(約2億5300万ドル)を占め、次いでASEAN市場が12万7076トン(約9200万ドル)、中国が11万7925トン(約7500万ドル)であった。

カンボジアコメ協会(CRF)の会長、チャン・ソクヘン(Chan Sokheang)氏は、農業協同組合や農民が輸入市場の基準に従った農法を実践するよう奨励している。同氏は「農業省の専門官による技術指導や市場で設定された基準に従い、責任を持って農薬を使用するよう農民や農業協同組合に呼びかける」と述べた。

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