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カンボジア国立銀行(NBC)は24日、初めての公表となる金融安定性報告書(FSR)で、不動産部門の成長は減速すると予測をした。クメールタイムズ紙が報じた。
FSRによると、今年上半期に竣工予定の開発プロジェクトと合わせて、竣工が遅延している昨年の開発プロジェクトが市場に供給されるため、供給が需要を上回る可能性があるとし、これによる外需と内需の双方の弱まりから、売上高、賃貸料、稼働率に悪影響を及ぼす可能性があると指摘した。
さらに、借入コストの上昇や中国人投資家からの需要の減少などにより、豪州、英国、カナダ、タイの主要都市の不動産市場が冷え込み始めたことを受け、カンボジアの不動産市場も現時点では影響が無いものの、不動産価格の下落リスクは払拭できないとした。
国土整備・都市化・建設省によると、2018年の建設投資は2017年の68億ドル近くから2018年には58億ドルへと15.3%減少した。また、承認されたプロジェクトの数は3294件と、前年の3418件から3.6%減少した。
CBREカンボジアが4月初旬に発表したレポートによると、建設部門への投資額は、今年1月から2月にかけて15.6億ドルに上ったことから、第1四半期の投資額は18億ドルと見込んでいる。特に住宅開発が活発となるなか、今後は外国資本による中高価格帯の住宅開発が進められる一方で、現地からは手頃な物件の需要の増加すると予想されている。