アジア開発銀行(ADB)は、10月25日、「2017年アジア経済統合報告書」(AEIR 2017)を発表した。これによると、メコン地域(GMS)加盟国は、アジア・太平洋地域における貿易・投資の拡大に伴い、多国間協定を通じて貿易合理化をより迅速に進める必要があると指摘している。
報告書によると、カンボジア、ラオス、ベトナム、タイ、ミャンマー、雲南省を含むGMS地域にとっては、国境を越えた輸送促進協定(CBTA)が欠如しており、2019年までの実施が期待されるとし、また、輸送ネットワーク拡大、観光産業の成長、貿易の地域統合が行われた場合に最大の課題となるGMS CBTAの完全実施について言及しており、輸送の円滑化のために、衛生植物や植物検疫のような分野での貿易支援を加速する必要があると指摘している。
なお、インフラの脆弱さが同地域の障害として残っている一方、二国間および多国間投資が、2016年末現在で191億ドルという利益に繋がっている。