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  • 2017年4月10日
  • カンボジアニュース

カンボジア経済 予想を上回る成長の兆し アジア開発銀行[経済]

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(c)Khmer Times

 アジア開発銀行(ADB) による2017年の経済見通しによると、カンボジアの国内総生産(GDP)の予想上昇率は、2017年と2018年で7.1%、昨年の7.0%から若干上昇した。報告書によると、縫製品の堅調な輸出、建設・不動産活動、政府支出の増加、農業生産の緩やかな回復により、今後2年間は引き続き順調に推移するとみられる。クメールタイムズ紙が報じた。

 ADBのカントリー・ダイレクターは、「主要先進国の成長と、衣服・靴、軽工業、エレクトロニクスなどの付加価値の高い製品への多角化によって、今年の工業の成長率は10.8%になるだろう。また、好天により農業の成長率は1.8%と予測され、農業の復活は急速な成長と貧困削減のため不可欠だ。一方サービス業は、内需拡大と観光業が好調のため、6.7%伸びるとみている。しかしミャンマーなど、東南アジアにおける新しい観光スポットが登場する中、競争力を維持することが課題だ。建設業の成長は緩やかになると予想される」と述べ、「インフレが近づき、経常赤字が縮小するだろう」と付け加えた。



 同氏はまた、「カンボジアの短期的な経済成長見通しは依然として強いものの、人件費や技術不足が課題となる。2015年~2025年の産業開発政策の実施を迅速化し、規制改革やインフラ・物流の向上、さらに技術への投資を行うことで、コスト削減や、生産性・競争力の向上が可能となる」と話している。

 アジア開発銀行(ADB)によると、カンボジアの輸出は今年11.0%の伸びを示し、輸入は9.0%超えと、今年と来年は引き続き堅調に推移するとの見通しを示した。一方、国内リスクは、金融業界の脆弱性、特にマイクロファイナンス機関が急速に拡大したことによる脆弱性が懸念され、国外では、ユーロ圏の成長率の低下、世界的な信用貸しの引き締め、米ドルの急騰などにより、他の生産者との競争が制約されるリスクがあるという。

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