カンボジア農林水産省は木曜日、国連食糧農業機関(FAO)と国際農業開発基金(IFAD)と会談し、カンボジアの零細農家や土地のない貧しい人々が直面している状況について話し合った。
今回の会談では肉用牛生産、食用野菜セクターの成長、農外所得世代に焦点があてられた。近年カンボジアの貧困レベルは低下しつつあるが、世界銀行が2014年に発表したところによれば、いまだ800万人が「貧困ライン」以下で生活しているとみられる。
畜産農業開発センターのボリン・キエウ氏によると、肉牛産業には将来性があり、国内需要は高まっているという。FAOの調査ではカンボジア国民の平均年間牛肉消費量は5キログラムである。
肉牛産業における零細畜産農家の割合は多く、145万軒の農家で343万頭の肉牛を生産している。農家の中には情報へのアクセス機会がなく、適切な運営方法や獣医療サービス、また十分な資金や保険などのリスク軽減ツールを得られていないものも多い。
近隣国ベトナムでは利率は5%~7%と安定しているもののカンボジアでは36%で、肉牛産業はコストのかかる投資となっている。 キエウ氏は、「利率についてしっかり話し合う必要がある。農民銀行の利率が36%では、利益を上げることは不可能だ」と話す。
他にも食肉生産の品質について懸念が上がった。FAOの調査によれば、約80%の国産牛が現地のじめじめした市場で販売されており、政府によるガイドラインや基準などは特にない。
「EU諸国へ輸出するためには、多くの施策や基準作りなどの改善が必要だ。加えて、WTOが定めた貿易障壁もある」と同氏は言う。