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2020年3月11日
カンボジア進出ガイド

【マーケティング・メディア】

310 カンボジアのマーケティング・メディア②(2020年1月発刊 ISSUE11より)

ソーシャルメディア Social Media

 フェイスブックの調査によると、2018年の利用者数は昨年より200万人増加し、680万人にのぼる。実に国民の3人に1人が利用していることになる。男女比は6対4で、76%が18歳から34歳、82%がプノンペン在住者であることから、都市部に特化した強力なメディアであるといえる。インフルエンサーとメディアを軸にしてバイラルマーケティングを行うのも効果的だ。





 消費者のほとんどの購入決定は、ソーシャルメディアで友人や家族が行ったコメントなど、信頼できるソースからのレビューの影響を受ける。このような消費者行動を利用して、ブランドが独自のソーシャルサークルを通じて消費者とつながり、エンゲージすることを可能にしたアプリも登場している。

テレビとラジオ TV and Radio

 情報省によると、テレビは18チャンネルあり、そのうち9チャンネルの視聴者が96%を占めており、カンボジアで最も人気のあるメディアだ。また、カンボジア人の57%がニュースに見るためにテレビを見ていると答えている。また1社で複数チャンネルを持っていることから、実質は4社の寡占状態となっている。また、このトップ4の所有者が視聴率の78%を集め、さらに関連する9つのテレビチャンネルのうち7つは、与党として政治的に所属している所有者だ。テレビのメリットとして、地方や教育を受けていない層にも情報が届くということが挙げられる。



 最大手テレビ会社CBSのCEO、リム・クンスルン氏は、「人口の70%を占める若年層をメインターゲットとして放送をしています。トレンドの変化にもいち早く対応し、韓国の音楽を扱う番組やインドのドラマ番組などカンボジアにはない新しいコンテンツを視聴者に提供しているため、カンボジアで最も人気のあるコンテンツプロバイダーとなっています」と話す。カンボジアで全国的に自社のブランドイメージ、製品、商品を短期間で幅広く消費者に伝えるためにはテレビCMが現在最も効果的だ。

 インターネットの普及に伴い、ラジオはシェアを落としているものの、テレビとオンラインメディアに次いで3番目にランクされ、175局のうち人気のある4局だけで視聴者の43%を占めている。ラジオのマーケットは大きい割に、広告費が非常に安いのが特徴。また、国内のほとんどを網羅し、特にインターネットやテレビではカバーできない農村部まで浸透させることができる。ラジオの内容は、70%~80%が若者向けのエンターテイメント性の高い番組を放送している。最も人気のあるラジオは、ABCカンボジアラジオで、4人のうち1人は聴いている。

新聞・雑誌(紙媒体) New spapers and Magazine

 情報省に登録されている紙媒体だけで460誌(紙)あり、定期で発刊されているものは50誌程度。紙媒体のシェアは11%と低く、新聞は毎日9万部発刊されており、上位4紙で購読料の57%を占める。特に事故などの三面記事を多く掲載するカッサンテピアップ紙の販売数が一番多く、広い層に読まれてる。一方で、プノンペンポスト紙やクメールタイムズ紙などの英字新聞は、国際ニュースをメインに扱っており、在住外国人や現地知識人がターゲットだ。また、雑誌やフリーペーパーは、カンボジア人を対象にしたクメール語のものや、英語、中国語、韓国語など各国外国人向けに発行しているものがある。それぞれのマーケットに告知するのに効果的である。

 今後、新聞や雑誌はデジタルメディア化、ソーシャルメディア化が一層進むだろう。ソーシャルメディアはデジタルメディアへの誘導口、記事拡散の手段としても活用されている。


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