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2018年12月17日
カンボジア進出ガイド

【マーケティング・メディア】

273 カンボジアのマーケティング・メディア②(2018年11月発刊 ISSUE09より)

ソーシャルメディア Social Media

 フェイスブックの調査によると、2018年の利用者数は昨年より200万人増加し、680万人にのぼる。実に国民の3人に1人が利用していることになる。男女比は6対4で、76%が18歳から34歳、82%がプノンペン在住者であることから、都市部に特化した強力なメディアであるといえる。

 インフルエンサーとメディアを軸にしてバイラルマーケティングを行うのも効果的だ。スタンディング・オン・ザ・ブリッジ・インターナショナル代表の清野裕司氏氏は、「このマーケティングが成り立つのは、広告の内容を信じているカンボジア人が圧倒的に多いためです。しかし、カンボジアの経済の成熟と共にこの割合は減ってくると思うので数年後には今のやり方を変えていかなければいけないと思います」と語る。

ラジオ Radio

 インターネットの普及に伴い、ラジオはシェアを落としている。現在、テレビとオンラインの後では3番目のメディア部門にランクされ、視聴者数は34%となっている。また視聴者の65%が携帯電話から聴いている。ラジオは175局あるが、4局で43%の視聴率を占める寡占状態だ。ラジオのマーケットは大きいが、広告主が分散するため、広告費が非常に安いのが特徴。また、国内のほとんどを網羅し、特にネットやテレビではカバーできない農村部まで浸透させることができる。ラジオの内容は、70%~80%が若者向けのエンターテイメント性の高い番組を放送している。

新聞・雑誌(紙媒体) Newspapers and Magazine

 情報省に登録されている紙媒体だけで460誌(紙)あるが、実際に定期で発刊されているものは50誌程度である。上位4紙で57%の購読率、一日9万部平均で発行されている。紙媒体自体のシェアは低くカンボジア人11%が雑誌や新聞、あるいはその両方を読んでいるにとどまる。新聞は、弊社調べでは、事故などの三面記事を多く載せていることが特徴のカッサンテピアップの販売数が一番多い。非常にわかりやすいメッセージのため、ある程度広い層に読まれている。一方、プノンペンポストやクメールタイムズなどの英字新聞は国際ニュースをメインに扱っており、在住外国人や現地知識人をターゲットとしている。
 
 今後の紙媒体の可能性について、在住外国人などに人気の英字新聞プノンペンポストを発行しているポストメディアの編集長は、今後新聞は「デジタルメディア化・ソーシャルメディア化」が一層進むとの見方を示した。同氏は、「デジタルメディアは、急速に拡大したインターネットによって、現在最も確かで高い読者到達率を誇り、同様に読者や広告主にとっては最も重要となります。2012年5%だった普及率は2015年には既に約35%となり、デジタルやメディアの消費はインターネットの普及に直接反射されます。プノンペンポストのクメール語のニュースサイトは2012年には毎月30万以下の閲覧者数が、2015年には毎月150万にまで成長した」と付け加え、今後の紙とデジタル双方での成長を示唆した。またソーシャルメディアはデジタルメディアへの誘導口、記事拡散の手段として活用されている。

 雑誌、フリーペーパーは、カンボジア人を対象にしたクメール語のものや、英語、中国語、韓国語など各国外国人向けに発行しているものがあり、それぞれのマーケットに告知するのに効果的である。


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