【運輸・物流】
特別経済特区(SEZ)とは、法的、行政的に特別な地位を与えられている地域を指し、電力、給水、下水、排水処理、固形廃棄物、環境保護等のインフラが整備されていること、通関、検量、原産地証明、労働許可等のカンボジア政府への役所手続を行う事務所を有していることから、製造業のカンボジア進出先として注目されている。カンボジア開発評議会(CDC)によると、カンボジアの産業部門は現在GDPの29%を占め、2025年までには30%に到達予定。カンボジアへの投資の多様化に貢献するだけでなく、技術移転やカンボジア人の雇用創出、政府の産業開発計画の遂行に貢献している。
政府は、プレア・シアヌーク州に1万軒の工場を入居できる大規模なSEZの建設を予定しているほか、豊田通商の完全子会社であるテクノパーク・ポイペト(TPO)は昨年12月、タイとの国境近くにあるSANCOポイペトSEZにおいて、テクノパーク事業を正式に発足させた。また、輸出入手続きの円滑化として、ワールドブリッジグループは、国内初となる保税蔵置倉庫を備えたSEZの営業を開始。工場団地が増える中、輸出入のワン・ストップ化に貢献すると見られる。