【建築・内装】
多くの国際的な建設関連会社が、駐在員事務所の設立や正規代理店を通じてカンボジアへ進出しており、建設関連の製品は低価格から高価格帯のものまで幅広く手に入るようになった。一方、市場の競争はより厳しくなっており、部材の価格競争も激しさを増している。
C&Pのミース氏は、「AECによる影響として、国際的でグローバルなブランドの建設資材が成長市場を目指して流入するため、建設現場へはより安くより良い製品を供給出来ますが、非常に多くのサプライヤーが競合しなければならないと思います」と語る。
電気温水器のリンナイ、電動工具のヒルティ、床材のペルゴなどの販売代理店である、カムコナ・トレーディングのエリダ・キムスルン氏は、「私たちの製品は全ての住宅や商業施設が対象です。日本や欧州から輸入する評判の高いメーカー、洗練された商品を取り扱っています。私たちはソリューションを提供することを第一にしています。商品を売ることに注力せず、顧客のニーズを汲み取り、どんな商品が最適か、どんなソリューションが一番かを提案します。また売った後も同様に大事です。もしアフターサービスやメンテナンスが無ければ一度のみの購入になってしまいますから」と語る。
また同氏は、「顧客は外国人とローカルの半々で、一番売れ行きが良いのは、リンナイの電気温水器ですね。豪州やニュージーランド、米国でも知られており、商品を信頼して買っていきます。お陰さまで売上金額も順調に伸びており、リンナイに関しては2倍以上に伸びています。ホテル等に向けては、国内の電気料金の高さからガスシステムの需要も伸びています」と付け加えた。価格的な競争力だけでなく、新たな価値の提案が求められる。
中国企業はカンボジアでの不動産開発にますます積極的になっている。
中国人にとってカンボジアは天国だと語る C&Pのミース氏は、「カンボジアへの投資は基本的に、両政府の協力関係により、政治的な後押しがあり行われています。中国の開発プロジェクトの多くは、財務基盤の強い中国企業の支援を受けており、何かを建設する際には自分たちのリソースを使い、また買い手も中国企業をターゲットにしています。 そのため、中国は開発者だけでなく、バイヤーも豊かです。今後も益々多くの中国人が、中国外での財産を所有しようとしてくるでしょう」と話す。
日本や韓国は、現地企業を下請けとして共に仕事をするが、中国は全然違うと関係者は口を揃える。中国企業がカンボジアに投資に来ているといっても、カンボジアでは物件を持っているだけだという声も聞こえる。SCEのエン氏は、「現在カンボジアには中国企業による建設プロジェクトが多くあります。彼らは現地価格の22~23%安い価格で受注をするんです。中国企業は、建設資材を自国から輸入し、作業員を中国から呼んでいるため、現地企業が下請に入ることが非常に難しい」と語る。
またカムコナ・トレーディングのエリダ氏は、「今中国からの投資により、沢山の大プロジェクトが動いていますが、彼らに製品を売ることは難しいです。彼らは人も資材も自分たちで輸入しますから。韓国や日系企業とは仕事をしていますが、中国企業から仕事を得るのは難しいですね」と語る。