【マーケティング・メディア】
(048 カンボジアのマーケティング&メディア②からの続き)
あらゆる層にリーチできる一般的なメディアである。携帯電話から聴くこともでき、テレビよりも細分化したエリアへの告知が可能。プノンペンには36のラジオ局があり、地方と合わせると実に多くの局が存在する。「これはカンボジアの教育水準にも関係することですが、文字から情報を得ることに慣れていない人たち、農場や工場のワーカーを募集などといった告知にはいいですね。逆に知識人が視聴するとすれば、海外ラジオ番組やTV番組です」とトメイトメイ・ドットコムのキー氏は述べている。
男性向け商品、サービス告知に適したメディ ア。レスマイ・カンプチアがカンボジア最大の新 聞社といわれるが、プノンペン市内販売店に聞 き込み調査をしたところ、一番売れているのが カッサンテピアップであった(弊社調べ)。事故な どの三面記事を多く載せていることが特徴の新聞である。このことは、ウェブの項で触れたように、カンボジアでのマーケティングの特徴の一つである。また、求人広告の掲載も多いため、求職者が多く購読する傾向がある。逆にプノンペンポストやカンボジア・デイリーなどの英字新聞はインターナショナルニュースをメインに扱っており、在住外国人や現地知識人をターゲットとしている。カンボジアで英語・クメール語併記の初の日刊紙を発行したカンボジア・デイリーのデボラ・クリッシャー・スティール氏は「カンボジア・デイリーの読者は、教育を受けたカンボジア人と在住外国人が中心。クメール語版も発行し、地方へも配布していますが、読んでいる人がいるかというと、数は限られてくると思います。街は発展していきますが、地方は変わっておらず、字が読める人と、そうでない人とのギャップは大きいのです」と述べた。また新聞以外の媒体の可能性についても、「スマートフォンがかなり普及しているので、それに合わせた携帯用アプリが増えているのが、今のトレンドではないでしょうか。ニュースだけではなく、エンターテインメント、チャット、ソーシャルメディアを通して、これからもっと情報が出たり入ったりするのではないでしょうか。デジタルメディアでもカンボジア・デイリーは読めるようにしていますので、世界中にニュースを発信できます。オンラインのヒット数の50%は国外からのアクセスになります」と付け加えた。
※新聞販売の様子。高校や大学近くに多く、文具や雑誌なども販売している。興味をひかれた記事のある新聞を購入していく人が多い。
(050 カンボジアのマーケティング&メディア④へ続く)