カンボジアに進出する日系企業のための
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2015年7月13日
カンボジア進出ガイド

【マーケティング・メディア】

048 カンボジアのマーケティング&メディア②(2015年4月発刊 ISSUE02より)

(047 カンボジアのマーケティング&メディア①からの続き)
 ウェブ広告に関しては、「近年ではとても一般的になってきています。これは新しいものが好きというカンボジアの国民性と関係があります。インターネットを使うことは新しい世代の象徴なんです。ネットサーフィンをしてウェブ広告を見ることは、新しい考え方で魅力的なものです。ウェブ広告を出している会社に対しては、先進的な印象を持ちますね」とクメール24のティ氏は言う。

 認知度の高いサイトはクメール24やDAPニュースの他に、ニュースサイトの「クメールロード」、また新聞のウェブサイト版である「カッサンテピアップ」や「スマイルカンボジア」、エンターテイメント情報を発信している「サバイ」などがある。これらのウェブサイトで特徴的なのが、好まれる話題やフェイスブックでシェアされるものに事故などの映像が多いということである。その理由は、「多くの人々は文字から情報を得るということに慣れていません。一方で、事故の映像や画像はとても分かりやすく彼らの感情に響きます。嬉しいとか悲しいとか、そういった感情が視覚的に認識できるので、とても分かりやすいんです。カンボジアでは、多くの人がまだ字を読めませんし、読めたとしても意味を理解するのはより難しいことです」とはトメイトメイ・ドットコムのキー氏

 また、今年に入ってから速報性の高いニュースサイトFresh NewsをスタートさせたDAPメディアセンターのソイ・ソピーア氏は「今まではニュースの配信スピードが遅かったのですが、最近では、いろんなメディアがITテクノロジーを駆使し、競争しています。ニュースが早いほど、新鮮な情報を伝えれ、メディア自身が頑張っていけます。今のカンボジアのメディアマーケットは、ニュースがパワーを持っているのです。最近では、ニュースがメインの番組構成になっている新しいチャンネルやコンテンツが増えています」と語った。

 マーケティングにおいても、そのことを踏まえて「映像や画像で分かりやすく感情に訴えることが反響につながるポイントになるだろう」と続けるのは、PR活動やイベントを手掛けるブレインズ・コミュニケーションのタシロ・ブリンザー氏。動画やインパクトのある絵、そして、分かりやすい内容で打ち出していくことが一つの手法となる。

■ テレビ Television

 分かりやすさという点で考えると、テレビこそカンボジア人に広く訴求できるメディアだろう。「ほぼ全ての層、文字を読めない人々にまでアプローチをすることが可能なメディアです。人気のあるテレビ局は、ホンミー、CTN、バイヨンTVなどが挙げられます」と、DAPメディアセンターのマネージングダイレクター、ソイ・ソピアップ氏。他にも情報省管轄の国営放送であるTVKや国軍保有のTV5などがある。TVKは国土の60%をカバーしており、2015年からのデジタル放送開始を表明している。クメール24のティ氏も、「化粧品など女性向けに広く告知したい場合に最適です。カンボジアの女性は日中家にいることが多く、テレビを観ることが好きな傾向にあるからです」と語っている。テレビCMというと一般的に広告費が高いイメージがあるが、カンボジアの場合は、日本のそれと比べると、10分の1程度の予算でできる。また、ブレインのブリンザー氏は「昔はメディアに何か掲載してもらうのにもすべてお金がかかりましたが、近年はそれも正常化していて、国際基準に追いつきつつあると思います。ジャーナリストが取材をしたり、こちらが情報提供をしたりの持ちつ持たれつの環境が成り立ちつつあります。近年のソーシャルメディア出現によりずいぶんと変わりましたが、古くからある企業は新しいメディアに手を出さずに従来の新聞やテレビに頼りがちと感じています」と述べている。
(049 カンボジアのマーケティング&メディア③)


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