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2015年7月12日
カンボジア進出ガイド

【IT・通信】

041 カンボジアの通信&IT②(2015年4月発刊 ISSUE02より)

■ インターネット環境 Internet services in the Kingdom

(040 カンボジアの通信&IT①からの続き)
 インターネット環境も良好だ。主要市内の主な飲食店やホテルでは無料WiFiが当然のように設置され、ほぼどこでも当たり前のように高速インターネットが利用できる。

 インターネットサービスプロバイダー(ISP)の競争も苛烈だ。業務用ISPに特化し法人顧客基盤を拡大しているイージーコムのポール・ブランシュ・ホルゲン氏によると、カンボジアは光ファイバーケーブルの埋設に関しては東南アジア諸国のなかでも進んでいる方であり、自社でもケーブル増設の投資を毎年行っていると言う。一方、小さなマーケットの中で競争環境は厳しいと語る。「カンボジアのISPは合計39社が許認可を受けています。その全てがアクティブに営業しているわけではありませんが、人口約1,500万人しかおらずインターネットサービス需要がまだまだ大きくない市場にしては、ISPの数はかなり多く、競争は激しいと思います。サービス料金も 低下してきています。5年前は月額420ドルで提供していたサービスが、現在79ドルまで落ちていたりします。競争が激しいために地方への進出をためらう競合他社もありますね。ただ、インターネットユーザーの増加は顕著で、毎年2倍ずつ増えています」。

 日系企業として初となるISPラインセンスを取得したNTTコミュニケーションズプノンペンオフィスの宮崎 一氏も、カンボジアのISP市場は先進的でありながら競争環境は厳しいと語る。「携帯キャリアが6社、実質的に稼働しているISP業者が20社程度と人口約1,500万人の市場にしてサービス事業者が多いのが特徴です。また、通信設備の普及が近年急速に進んだため、比較的新しい設備・技術が導入された事も特徴として挙げられます。例えば、企業向け通信ではほとんどのアクセス回線が光ファイバー化されており、タイではまだ半数以上が銅線のアクセス回線を使っているのとは対照的です」

 とはいえ顧客にとって重要な“ネットへの繋がりやすさ”は事業者によって大きな質の違いがあるようだ。同氏によると「似かよったプランに見えても、実際使用してみなければスピードがどれぐらい出るかわかりません。何メガというようなプランを契約しても、それはオフィスや自宅から最寄りの通信局までの速度であって、そこから先のネットワークの設備によって速度は変わってきます。一般的にカンボジアの通信事業者で安い価格を売りにしているところは局から先の設備が顧客の数に比べて貧弱で、混雑する時間になると“繋がらない”ことが多く見受けられます」。数多くのISP事業者からどれかを選択する場合、しっかりと設備とトラブル時のメンテナンスサポートが備わっているかどうかを推し量る必要がありそうだ。
(042 カンボジアの通信&IT③へ続く)


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