【IT・通信】
カンボジア電気通信規制機関(TRC)によると、2019年3月時点で携帯電話事業者6社が合計1970万枚のSIMカードを販売しており、多くの加入者が1つ以上の回線を所有しているため、カンボジアの人口である1620万を超えている。
移動通信業者は、現在はベトナム系キャリアであるヴィッテルを母体とするメットフォン、マレーシア系キャリアであるアクシアタを母体とするスマート、カンボジア有力財閥ロイヤルグループとルクセンブルグ系MCIの共同出資によるセルカードの3大キャリアが市場をほぼ制圧している。3つの主要モバイルネットワーク事業者が今年、カンボジア初となる第5世代移動通信システム(5G)サービスを試験的に展開する。
カンボジアはインターネットの分野で急速な成長を遂げている。TRCによると、カンボジアには、7つのモバイルインターネットと34の固定インターネットサービスプロバイダがあり、1410万人の内訳は、モバイルインターネットサービスに加入している1394万人(85.6%)、固定インターネットサービスを利用している18万1036人(1.1%)だ。
ますます加速するカンボジアのインターネット事業について、2006年にISPの先駆けとして、IT製品、データセンターなどをITソリューションとして顧客にワンストップで提供しているメコンネットのソク・チャンダ氏は、「近隣のアジア諸国では、データセンターやクラウドサービスはかなり広く普及しています。しかし、カンボジアでは、これまで各社が独自のサーバーを所有していたため、そのデータをデータセンターに移行することは非常に困難です。現在では、データセンター事業に注力しているISPはいくつかありますが、他の国に比べるとまだまだ大きな需要とは言えないでしょう」と話す。
また、政府は2018年5月、カンボジア国内および国際的にインターネットを通じて送受信される情報が、国営企業テレコムカンボジアによって新たに作成されたデータ管理センター(DMC)を通過し、同社の監視下に置かれるよう指示した。これにより、テレコムカンボジアは2018年の第3四半期からDMCを通じて送信されたすべてのデータを監視されることになった。