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2015年7月12日
カンボジア進出ガイド

【金融・保険】

032 カンボジアの金融・保険④(2015年4月発刊 ISSUE02より)

保険 Insurance

■ 損害保険 General Insurance

(031 カンボジアの金融・保険③からの続き)
 2005年以降、カンボジアの保険業は著しく成長している。カンボジア保険協会(IAC)が発表した報告書によると、2014年のカンボジアの保険業界の収入は総額5,300万ドルと、前年に比べ26.7%増加した。保険市場は2009年から毎年2桁成長している。保険金の支払い請求で業界が負担した総額は1,830万ドルで、2013年売上高の34.6%に匹敵する。そのうち火災保険料は1,800万ドルと大部分を占めた。機械、健康、自動車などの保険料収入は、前年に比べて12~21%の成長。貨物海上保険の保険料収入は290万ドルと316%も増加し、収入の13%を占めた。

 大手損害保険会社のインフィニティ損害保険のマイケル・グリーン氏は、「現在のように契約者数が順調に伸びてきている中、比較的利益も出しやすい状態では外資の関心も増すのではないかと予測されています」と述べた。

 シェア45%、業界最大手のフォルテ保険のチャールズ・チェオ氏は「カンボジアにおいて保険の浸透率は、近隣諸国と比べても低いと言えます。だからこそ今後も大きな成長産業になるのではと期待しています。現在企業向けのプランが保険の重要なセクターとなっております。しかし今後の法整備や個人所得上昇、保険に対する意識の向上に伴い、個人向け保険プランもより活発になり、さらに重要な部門になるもと期待しています」と述べており、「損害保険会社として多彩な保険商品を用意しております。顧客は個人から国際企業までさまざまです。商品は小型保険から石油・ガス産業向けの様な物まで幅広くあります。弊社が成長してきたのも多種多様な保険商品を提供してきたからです。12年以上も市場の要求に応え、トップ企業で有り続けたのは良きパートナーと優れた人材のお陰と思います」と語った。

■ 健康保険 Health Insurance

 企業が従業員のために加入する保険としては、傷害保険や健康保険が挙げられる。現地での保険の加入について、インフィニティ損害保険のグリーン氏は、「業態別に必要な保険は異なるので、しっかりと検討していただきたいです。健康保険について述べるなら、カンボジアの医療や健康に関するレベルはまだ発展途上なので、健康保険に加入されるのがいいでしょう。その際には、会社ごとに保険会社に見積りをとれば、いくつかのパッケージの中から選択肢を提案してくれると思います。通院保障から入院保障などさまざまなオプションがあります。カンボジアの医療はまだまだ未熟なため、海外搬送の可能な保険も必要でしょう。日本のスタッフが駐在している病院もあるので、そのような病院で使える保険もおすすめですね」とアドバイスした。

■ 生命保険 Life Insurance

 カンボジアの民間保険会社は、生命保険会社についてはローカル企業のカンボジアンライフ、イギリスのプルデンシャル、マニュライフ の3社がある。若年層の多いカンボジアでは、今後生命保険市場の成長も見込まれている。カンボジアで初めての生命保険会社、マニュライフ生命保険のCEOのロバート・J・エリオット氏は、「カンボジアには生命保険の歴史がなく、触れるのが初めてという点が周辺諸国との大きな違いです。ですから我々は、生命保険がどのようにして長い期間で資産を守るか、また貯金を可能にするかといったことから伝えています。また、子供たちの教育についても考えていただかなければなりません。私たちの顧客である中間所得層の方々は、自分の将来や子供たちの未来に対して投資したいと考えています。マニュライフはベトナムでは15年前に生命保険を開始しましたが、その後大きく市場は成長しています。カンボジアでも同じようになると期待しています」と語った。


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