カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

2014年11月22日
カンボジア進出ガイド

【運輸・物流】

021 カンボジアの運輸・物流③(2014年9月発刊 ISSUE01より)

22年の変化、海運の先駆者

 どの業界でもパイオニアには業界開拓の苦労と共に、先駆者としてのチャンスに恵まれる。世界最大規模を誇る海運会社、マースク・カンボジアのラム・ブイ氏は「弊社設立当時、カンボジアの国が開かれ国際貿易が盛んになりつつあったことが進出の理由です。同業他社もいない状況でした。1992年に進出してから22年、当初は輸出入でのコンテナの扱いは週に100以下でしたが、現在では800から1,000の扱いがあり、際立った成長を見せています。この伸びは目を見張るものがありますね。現在では市場の3割ほどをわれわれが扱っていると思われます。わが社は苦難よりもチャンスに目をつけ進出しました」とカンボジア進出の理由を語っている。

日本食材サプライヤー

 日本食レストランの開店ラッシュが相次ぐプノンペンでは、7、8社の日本食材を扱う食品サプライヤーが存在する。日本から直輸入した食材を適正価格で提供すべく昨年参入したダイシントレーディングの竹田 毬氏は、「日本食材を扱うサプライヤーとしては5社目の開業ですが、直輸入で価格を抑えるだけでなく、日本的なサービスの徹底に重点をおいています。日本では問題となる賞味期限・消費期限も、カンボジアではその概念すらなかったりしますので」と語っている。また、カンボジアならではの問題として、「時間にルーズなので即日配送と言われても実際には翌日となったり、欠品があったり対応が悪かったり、日本の常識とのギャップに悩まされる飲食店経営者は多いですね」と語る。物流インフラの整備には、外的要因の改善だけではなく、当事者意識の改革も重要な要素となる。

物流の目

 法整備等も未熟な面があり、税関に関して言えば担当者によって解釈が全く異なることも日常茶飯事。日本の常識では到底理解不能な事項も多発する中、物流に関する問題はコストと納期にそのまま跳ね返ってくるだけに、利用する物流会社の選択は料金だけではなく、どれだけ経験・知識・ホスピタリティがあるかも重要な要素となる。大小問わず、日系物流業者のカンボジア進出も加速している昨今、ローカル物流会社の方が料金的には断然安いが、トラブル時の対応や説明責任問題等で大きな違いが出てくるので業者選択には十分注意したい。また日系企業の進出に伴い、カンボジアの物流インフラ整備停滞につながる最大要因の一つである、カンボジア人関係者の意識改革へ与える影響にも大きく期待したい。


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