【マーケティング・メディア】
分かりやすさという点で考えると、テレビこそカンボジア人に広く訴求できるメディアだろう。「ほぼ全ての層、文字を読めない人々にまでアプローチをすることが可能なメディアです。人気のあるテレビ局は、ホンミー、CTN、バイヨンTVなどが挙げられます」と、ニュースサイトを運営するDAPメディアセンターのソイ・ソピアップ氏。他にも情報省管轄の国営放送であるTVKや国軍保有のTV5などがある。TVKは国土の60%をカバーしており、2015年からのデジタル放送開始を表明している。クメール24のティ氏も、「化粧品など女性向けに広く告知したい場合に最適です。カンボジアの女性は日中家にいることが多く、テレビを観ることが好きな傾向にあるからです」と語っている。また、カンボジア初の日系地上波テレビ局としてTV3アジアも放送を開始し、日本のコンテンツをカンボジア全土に放送している。
あらゆる層にリーチできる一般的なメディアである。携帯電話から聴くこともでき、テレビよりも細分化したエリアへの告知が可能。プノンペンには36のラジオ局があり、地方と合わせると実に多くの局が存在する。「これはカンボジアの教育水準にも関係することですが、文字から情報を得ることに慣れていない人たち、農場や工場のワーカーを募集などといった告知にはいいですね。逆に知識人が視聴するとすれば、海外ラジオ番組やTV番組です」とトメイトメイ・ドットコムのキー氏は述べている。
男性向け商品、サービス告知に適したメディア。レスマイ・カンプチアがカンボジア最大の新聞社といわれるが、プノンペン市内販売店に聞き込み調査をしたところ、一番売れているのがカッサンテピアップであった(弊社調べ)。事故などの三面記事を多く載せていることが特徴の新聞である。このことは、ウェブの項で触れたように、カンボジアでのマーケティングの特徴の一つである。また、求人広告の掲載も多いため、求職者が多く購読する傾向がある。逆にプノンペンポストやカンボジアデイリーなどの英字新聞はインターナショナルニュースをメインに扱っており、在住外国人や現地知識人をターゲットとしている。
※新聞販売の様子。高校や大学近くに多く、文具や雑誌なども販売している。興味をひかれた記事のある新聞を購入していく人が多い。