【教育・学習支援】
インターナショナルスクールは特定の国の教育システムを採用しておらず、学校ごとにカリキュラムを設定して運営している。イギリスのIGCSE(国際中等普通教育証明書)や、IB(国際バカロレア資格)、また、独自のオリジナルのカリキュラムを作成して運営している学校もある。三つのIBプログラム全てにおいて認定されているノースブリッジ・インターナショナルスクール・カンボジアのスティーブ・パーターソン氏は、「IBプログラムは世界でも評判の高い課程です。残念ながらカンボジアでは教育機関の基準が明確ではありません。インターナショナルスクールを名乗っていても、教育レベルはさほど高くない場合もありますので保護者は入念に調べたほうがいいでしょう」とアドバイスしている。また、インターナショナルスクールの利点として、「基本的なことですが、生徒の国際化を促進します。カンボジアを離れた後にも別の学校でもその経験を引き継ぐことが可能です。いろんな国の子供たちと学びを共にし、視野も広がります。文化や考え方に違いがあって当然だということも理解できるようになります」と語っている。入学の際には英語力が重要なポイントとなるが、英語を母国語としない生徒には追加の教育課程もあると言う。
在住日本人数はこの3年で2倍の増加を見せ、大使館発表で2,100人、それに伴い子供を持つ家庭も増加している。そのような状況の中、2015年4月、待望のプノンペン日本人学校が開校を予定している。プノンペン日本人学校設立準備委員会の手束耕治氏は、「日本人学校のメリットは、日本の学校に即編入、即転入が可能なことです」と語る。日本人学校は、日本の文部科学省が定める「学習指導要領」に準じて教育課程を編成しており、日本同様の教育を受けることができるのも大きなポイントだ。また、プノンペン校独自の現地カリキュラムも予定しているという。
補習授業校、通称補習校では、普段の学校教育ではカバーしきれない内容を補習授業として行っている。プノンペン補修授業校の土谷龍一氏は、「日本人としての基礎的な教育をしています。日本人としてのアイデンティティーを育て、基礎となる国語と算数、および数学に絞って教えています」と語っている。同校では父兄が中心となって運営しており、生徒数は78名(2014年9月時点)。土曜日8時から12時の開校で、年間授業数は40日。教員免許取得者が質の高い教育を提供している。学力だけでなく、日本に対する理解を深めたり交友関係を築くことができるだろう。