(c)Phnom Penh Post
カンボジアにはオーガニックを証明するための基準がないため、現地生産のオーガニック製品を手に入れるのは容易ではない。この需要に応えられるブランドがココ・クメール社で、設立2年目でカンボジアでは未開拓のオーガニック業界をけん引している。
同社は9種類、23製品を製造している(石鹸は含まない)。瓶詰めのヴァージン・ココナッツ・オイル、リップバーム、アフターシェイブバーム、ベビークリーム、マッサージクリーム、ナーガバーム、ボディースクラブなどだ。自社店舗は持っていないがプノンペン、シェムリアップ、カンポットの10以上の店舗に供給している。さらに、スイス、スロバキア、オーストラリア、カナダ、アメリカ、オーストリアへの輸出も開始している。
プノンペンポスト紙の取材に対し、同社の関係者は、「シンガポール以外では、カンボジアがASEANで唯一ココナッツ産業の無い国で、当時はまだ先行者利益を享受できる環境だった」と設立の経緯を説明した。
ベトナム、フィリピン、タイなどアジアでココナッツ産業が成熟している国のほとんどは、ヤシの高齢化問題に直面している。ヤシの寿命は100年程度であるが、大半の国のヤシは樹齢60年に達しており、今後収量が減少し始めるだろう。さらに、これまで数千ヘクタールのヤシの木が、他の換金性の高い作物を栽培するために森林伐採され、失われてきている。
対照的に、カンボジアには植林用の手頃な土地が豊富にあり、ヤシの生える土地を所有する個人農家も多い。ヤシは植林からわずか3年で収穫を開始することができ、60~70年間にわたって成長していく。ココナッツ加工場と技術に投資し、適切な農園管理と個人農家の支援を得られれば、カンボジアは、ココナッツ・オイル市場で国際的に重要な地位になりうる可能性があり、国内のGDPに貢献できる成長分野になるかもしれない。