カンボジアにおける携帯電話の接続数が、2024年初頭から2025年初頭にかけて2.4%減少したことが、世界中のモバイルデータを提供するGSMA Intelligenceの最新データにより明らかとなった。これは、国内の主要通信事業者による5Gへの移行の影響と見られている。
この減少により、接続数は62万2000件の減少となったが、依然として人口比で143%と高い水準にある。同団体は、「2025年初頭の時点でカンボジアの携帯電話接続数は2530万件に達している。同一人物が仕事用と個人用に複数回線を持つことは珍しくなく、eSIMの普及もこの傾向を後押ししている」と述べた。
同データによると、国内の携帯電話接続のうち91.3%が3G、4G、5Gネットワークに接続する「ブロードバンド」とされている。しかし、「ブロードバンドネットワークに接続されている機器が必ずしもモバイルデータ通信を利用しているとは限らず、一部の契約では音声通話やSMSのみのサービスとなっている契約もあるため、モバイルインターネットの利用実態を示す数値ではない」と説明されている。
Mordor Intelligenceの市場調査によれば、2025年時点でカンボジアの通信市場規模は約9億2000万ドルとされ、2030年には10億3000万ドルに達すると予測されており、年平均成長率は2.33%である。
4Gおよび5Gへの移行は、ネットワーク拡張やデバイスエコシステムの成長により継続して進行中である。例えば、スマート・アクシアタ社はシェムリアップ州に68カ所の新しい基地局を設置し、国内全域での4G LTEネットワークの強化を図っている。
5Gサービスについては、まだ本格的な導入には至っていないが、主要事業者は過去2年間で5Gの実証実験や試験運用を完了している。例えば、ベトテル社は公社であるテレコムカンボジアと連携し、首都プノンペンで5Gの試験運用を展開している。今後、利用者は3Gや4Gネットワークから徐々に5Gへ移行すると見込まれている。
現在、カンボジアの主要通信事業者にはスマート・アクシアタ、ベトテル、セルカードの3社が存在する。