カンボジア国立銀行(National Bank of Cambodia、NBC)は、通貨両替ライセンス申請の手続きを簡素化するための電子サービスプラットフォーム「CamDX」を導入した。このシステムにより、金融セクターの効率性とデータセキュリティが向上する。
3月12日より、事業者はwww.registrationservices.gov.khを通じて申請が可能になる。NBCはこの発表を木曜日に行った。
CamDX(Cambodia Data eXchange)はエストニアの「X-Road」モデルを参考にしており、安全かつ標準化されたデータ交換プラットフォームとして機能する。これにより、異なるシステム間でのスムーズなデータ通信が可能になり、機密性とデータの整合性が確保される。
エストニアのX-Roadは、フィンランドやアゼルバイジャンなどでも電子政府サービスの基盤として導入されている。これらの国々では、行政サービスの効率化とデータセキュリティの向上が実現されている。
このプラットフォームの主な目的は、政府データ(公共サービス)へのアクセスを容易にする一方で、データのセキュリティと所有権を保護することにある。既存システムに最小限の変更を加える形で導入される。
また、CamDXは「Once-Only Principle(TOOP)」に基づき、個人・企業・政府機関から収集したデータを一度のみ登録し、ユーザーの同意に基づいて認可された機関のみに提供する。この仕組みにより、行政手続きの効率化とデータの一貫性向上が図られる。
CamDXのようなデータ交換基盤は、銀行間での顧客情報や信用情報の安全かつ効率的な共有を可能にし、与信判断の精度向上や多重債務者の管理強化に寄与する。また、顧客データのセキュアな連携により、個人情報保護の強化とサービスの向上が期待される。