カンボジアは2025年に最大750万人の国際観光客を誘致すると予測されている。観光省のフート・ハック大臣が発表した。
2024年には670万人の外国人観光客が訪れ、前年比23%増加した。観光業の総収益は36億3000万ドルで、前年比18%増加した。観光相は2025年の訪問者数が720万~750万人に達すると見込んでいる。
観光業は、縫製業、農業、不動産・建設業と並び、カンボジア経済を支える四大産業の一つである。2024年にはGDPの9.4%を占め、前年の7.5%から増加した。また、観光業は51万人の雇用を直接創出している。
2024年の主要な観光客の出身国は、タイ、ベトナム、中国、ラオス、アメリカであった。カンボジアには、アンコール遺跡(Angkor Archaeological Park)、サンボー・プレイ・クック遺跡群、プレア・ヴィヒア寺院、コー・ケー遺跡という4つのユネスコ世界遺産がある。また、シアヌークビル、カンポット、ケップ、コッコンの4州にまたがり、約450キロメートルの手つかずの海岸線を有している。
カンボジアの観光客増加は、政府の政策による効果も一定程度あるものの、東南アジア全体の観光需要の回復といった対外的要因が主要な要因である可能性が高い。実際、2024年のタイの外国人観光客数は約3554万人で前年比約34%増、ベトナムは約1758万人で前年比41.3%増と、カンボジアよりも大幅な増加を記録している。これは地域全体の旅行需要の高まりが、個々の国の政策以上に影響を与えていることを示唆している。