カンボジアは、中国市場向けにツバメの巣とドリアンの輸出に向けた交渉を進めている。
農林水産省の高官は、「ツバメの巣輸出は現在、技術的な手続きを進めており、手続き完了後に中国側の代表団がカンボジアの関連施設を視察する予定」と述べた。
ドリアン輸出についても同様の手続きが進められており、2024年末または2025年初頭には輸出開始が見込まれている。
カンボジアではツバメの巣が主に沿岸地域で生産されており、特にプレアシアヌーク州やコッコン州が中心地となっている。全国には約3000~5000のコロニー(集団営巣地)があり、年間でおおよそ100トンのツバメの巣が生産されている。このうち約70%は中国や周辺国へ非公式に輸出され、残りの30%が国内消費に供されている。
一方、中国はツバメの巣を主にインドネシア、マレーシア、タイから輸入しており、これらの国の製品は品質や生産量が安定しているため、中国市場で高い需要がある。
カンボジアのツバメの巣生産は増加しているものの、他国と比較して品質や生産管理面で遅れがあるとされ、研究機関や養殖技術の進展においても依然として劣勢にある。
また、中国への輸出に際しては「農業生産工程管理規範(GAP)」に準拠した生産基準と安全基準を満たす必要があり、多くの農家がGAPトレーニングを受けている。包装施設も安全基準に従った設置が進められている。
カンボジアツバメ協会(KSA)は中国の関係機関と協力し、広西省南寧市やハイナン省で覚書を締結するなど、中国向け輸出に向けた準備を整えている。