カンボジア政府は2025年の予算を約93億2000万ドルに設定し、前年の約95億4000万ドルから減少させた。10月25日に閣議で承認されたこの予算案は、今後、国会および上院での審議を経て、ノロドム・シハモニ国王の承認を得る予定である。
政府は、2025年の国内総生産(GDP)を6.3%成長させ、GDP総額を約513億9000万ドル、1人当たり所得を2924ドルと見込んでいる。しかし、世界経済の不確実性や主要貿易国の成長鈍化といったリスクも考慮し、慎重な財政運営が求められている。
カンボジアの経済成長は、工業部門が8.6%、サービス部門が5.6%、農業部門が1.1%の成長率によって支えられ、インフレ率は2.5%に抑えられる見込みである。一方で、同国の経済は特定産業に依存しているため、長期的な安定のためには構造改革が不可欠である。
そのため、政府は各省庁に対し、投資促進や観光支援に向けた政策と手続きを改善するよう指示している。また、予算削減を通じて、公共投資が必要な分野と抑制すべき分野を明確に区分し、財政の健全性を維持しつつ経済の安定を図る方針である。