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国際通貨基金(IMF)の執行理事会によると、昨年のカンボジア経済は観光業の復活と非衣料品輸出の好調さに支えられ、5.3%の成長が見込まれている。
しかし、米国(カンボジア輸出の40%以上を占める)と中国の予想外の低成長、米国の金融引き締め、カンボジアの高い民間債務が成長に影響を与えるリスクが指摘されている。
昨年の財政赤字は、COVID-19パンデミックと生活費危機に対処するための社会支援の拡大、2023年東南アジア競技大会と総選挙に伴う支出増加、および2022年の未完成インフラプロジェクトの最終化などにより拡大したと予想される。
今年からは、一時的な支援措置の縮小と貧困層への対象を絞った財政支援の維持により、赤字が縮小する見通し。
公的債務は今後10年間で穏やかに増加するが、債務不安のリスクは低いものの、輸出と成長へのショックからの脆弱性がある。
中期的には、先進国貿易相手国からの需要の弱さの持続、中国の回復の鈍化、国内の高い民間債務、厳格な世界的金融環境が成長への脅威となる。
中長期的には、地政学的緊張と貿易の断片化、中国からの成長の構造的な減少、気候変動が成長への重要な課題となる可能性がある。
中期的な生活水準の持続的な向上を確保するためには、重要な改革が必要である。ガバナンスと反腐敗改革は、新たな外国直接投資を引き付け、高い成長を維持するために重要である。